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第21話 夕暮れの発見

夕暮れ時、チヨは暗室で現像をしていた。


色のない世界で現像するのは、最初戸惑った。現像液の濃度も、印画紙の露光時間も、今までは色で判断していた部分がある。


でも、不思議なことに、光の濃淡だけで十分判断できることに気づいた。むしろ、色に惑わされない分、本質が見えるような気さえする。


現像された写真を見て、チヨは息を呑んだ。


そこには、今まで見えなかったものが写っていた。


人々の周りに漂う、感情の光。記憶の粒子。そして——


「これは……」


一枚の写真に、奇妙なものが写っていた。


市場の隅に立つ、黒い外套の人影。


でも、その人影の周りには、他の人とは違う光がある。通常の生命の光ではなく、もっと別の……古い、とても古い光。


「誰なの……」


写真をじっと見つめる。顔は外套の影に隠れて見えない。でも、こちらを見ているような気がする。


扉が開いて、ルカが入ってきた。


「チヨ姉ちゃん、晩ご飯……あ、写真!」


ルカも写真を覗き込む。


「この人、誰?」


「分からない。でも、普通の人じゃないみたい」


姉妹は顔を見合わせた。


村に、何か別の存在が紛れ込んでいる。それは敵か、味方か。

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