表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/132

紛い物の炎と捨て身の特攻

作品評価&ブックマークをお願いします!

「……ここまでか。だが、貴様らも道連れだ…! お前たち、覚悟を決めろ!」


敵の隊長格の男は、生き残っていた数名の部下たちにそう叫ぶと、懐から禍々しい紫色の光を放つ小さな薬瓶を取り出した。彼の部下たちもまた、まるで示し合わせたかのように、同じ薬瓶を取り出す。そして、彼らは躊躇なく、その中身を一斉に呷った!


「なっ!? あいつら、何を……!?」

ハルが、その異常な気配に気づき、叫ぶ。


次の瞬間、薬を飲んだ兵士たちの身体に、凄まじい変化が訪れた。


「「「グゥゥゥゥアアアアアアアアアッッ!!」」」


人間とは思えないような絶叫を上げ、彼らの全身の筋肉が異常なまでに膨張し、血管が皮膚の表面にミミズ腫れのように浮き上がる。その瞳は理性の光を失い、血のような赤黒い色へと染まっていく。そして、彼らの身体の至るところから、深紅の炎が、オーラとなって噴き出し始めたのだ!


その光景を見た瞬間、直感的に危険を察知した。

(なんだ魔力放出量は!?体内エネルギーを強制的に炎の魔力に変換しているのか!?)


強化された敵たちが、その禍々しい炎のオーラを揺らめかせ、一斉にこちらへ向かって突撃を開始しようとする、その直前。俺は、廃坑の入り口に佇んでいる場合ではないと判断した。


「爆炎閃!」(フレア・ステップ)


俺は足元で爆裂を起こし、その推進力で一瞬にして前線にいたハルたちの隣に高速移動した。突然現れた俺に、エリアーナとゼイドが驚きの表情を浮かべるが、構っている暇はない。


俺は、驚くハルたちに鋭く叫んだ。

「ハル! おそらく捨て身の特攻だ! 全員、リーザの盾を中心に円陣を組め! 陣形を整えて守りに徹しろ! 何があっても30秒、耐え抜け! 殲滅は俺がやる!」


「た、隊長!?」

ハルは一瞬戸惑ったが、すぐに俺の意図を理解し、力強く頷いた。

「了解! 全員、隊長の指示を聞いたな! 防御陣形、急げ!」


ハルの号令一下、リーザが巨大なタワーシールドを地面に突き立て、その周囲をハル、ゼイド、そして他の兵士たちが固める。エリアーナとリズベットは、その内側で回復魔法と防御補助魔法の準備に入る。彼らが鉄壁の円陣を組み終えた、まさにその瞬間。


「グオオオオオオッ!!」


理性を失い、ただの破壊の塊と化した数体の「炎の獣」たちが、凄まじい勢いで防御陣に襲いかかってきた!


ドゴォォォォン!!!


先頭の一体の炎を纏った拳が、リーザのタワーシールドに激突し、凄まじい衝撃波と爆音をまき散らす! リーザの巨体が大きく揺らぎ、盾を持つ腕が悲鳴を上げる。

「ぐっ……! なんてパワーだ……!」


次々と襲いかかる強化兵たちの猛攻に、俺たちが組んだ防御陣は、まるで嵐の中の小舟のように激しく揺さぶられる。その攻撃は、もはや何の技術もない、ただの力任せの破壊だったが、それ故に予測が難しく、そして一撃一撃が致命的な威力を持っていた。


ゼイドの雷魔法も、エリアーナの水魔法も、彼らの纏う深紅の炎の前では、その威力を大きく削がれてしまう。


「くそっ、このままじゃ、じり貧だ……!」

ハルが、歯を食いしばりながら叫ぶ。


俺は、その地獄絵図のような光景を、防御陣の後方から、冷静に、しかし燃え上がるような怒りと共に見つめていた。


(……三十秒。いや、もって二十秒か。だが、それで十分だ)


俺は、両手に意識を集中させ、深紅の炎の魔力を、極限まで高めていく。


「その紛い物の炎で……俺の仲間を傷つけるな。お前たちのその苦しみも…俺が終わらせてやる」

どんどん更新していきますので作品評価&ブックマークをお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ