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波乱の予感

「ただいま」

瑠加と拓真くんが帰宅した

リビングには胃もたれでぐったりとした

玲央と洸くんが転がっている…

「おかえり…あれ?二人一緒だったんだ」

「あぁ駅でバッタリ会ったから」

「そう…」

「コレどうしたの?」

瑠加が玲央たちを指さす

「お昼にね…イブくんとましろくんが創作料理をふるまったらしく…」

「な、なるほど…」

「で、その元凶の二人は?」

「他にもいろいろ大騒ぎして理久に叱られて…後始末して疲れ果てて寝てる」

瑠加はふ~んという顔をして振り返り

拓真くんに声をかける

「拓真、飯は?食った?」

「うん…簡単にだけどすませてきた」

「そっか」

瑠加はそう言いながら冷蔵庫を開け

ミネラルウォーターを2本手にし

1本を拓真くんに差し出す 

「ありがと」

そのまま2人で並んでダイニングの椅子に座り

談笑をはじめる

「ほら、コレこの前拓真が言ってたやつだろ?」

「そうそう!」

スマホの画像を仲良く覗き込んでいる

「今度、ここ行ってみる?」

「え?いいの?」

「2人きりで旅行って行ったことないもんな…夏休みに行こうよ」

「いいの?」

拓真くんが瞳をキラキラと輝かせて瑠加を見つめる

瑠加は優しく微笑んで見つめ返し

「もちろん」

と言って拓真くんの肩を抱く

顔を更に寄せ合い話を続ける

「スケジュール合わせないとな」

「うん」

「ほら、ここの旅館とかどう?目的地に近いし、飯も美味そうだよ」

「うん!あ!こっちも良くない?温泉だし」

「あーイイね どうせなら露天風呂付きの部屋にしようか」

「え…でも高くなっちゃうよ?」

「大丈夫 初めての旅行だし…俺に任せて!」

「…でも」

「拓真、たまにはカッコつけさせて?ね?」

そう言って瑠加が拓真くんの頭をポンポンしている

拓真くんは真っ赤になって

「冴木はいつもかっこいいよ」

とつぶやき俯いてモジモジしている

そして…それを見つめる瑠加の瞳が溶けそうだ



楽しそうだねぇ

幸せそうだねぇ


拓真くんてめっちゃ大柄で男らしい体育会系イケメンなのに

瑠加といる時ってすご~く可愛く見えるんだよね

まるで清純うぶな乙女のように…

不思議


ウキウキと弾んだ声で旅行について語らう2人を見ていると

トテトテと小走りで理久が来た


「母さん、明後日から内定先の研究所ラボに行くから」

「あれ?それって夏休みに入ってからじゃなかった?」

「うん、その予定だったんだけど…さっき先輩から連絡来て前倒しで来てみないか?って誘われて…教授の許可も取れたし行ってみようかなと…」

「そう、都内だっけ?」

「あー、会社は都内なんだけど今回行く研究所ラボは大阪なんだよね2週間くらいかな…会社の寮を宿泊所にして良いって」

「そう…じゃあ明日準備しないとね」

「キャリーケースって納戸に仕舞ったんだっけ?」

「そう。出してこようか?」

「ん?自分で出すからいいよ」

理久は冷蔵庫から麦茶を取り出しコップにそそぎ

グッと一気に飲み干す

「はぁ!麦茶、冷たくて美味いね」

理久がニコッと笑う

「何よ…ご機嫌じゃないの…」

「うん!研究所の先輩はさ、ゼミのOBで卒論とか読ませてもらったんだけど、着眼点が凄くて勉強になったんだよね!話も合うし…楽しみなんだ」

「ふーん…そっか あれ?来週、理久の誕生日じゃないの…」

「ん?あぁそうだね まぁ別にもう誕生日だからとかって歳でもないしね」

「えー!ケーキとご馳走くらいしたかったぁ」

貴腐人がぷぅっと頬を膨らますと理久は人差し指で

ツンツンと突きフフフッと笑って言った

「帰ってきたらご馳走ヨロシクね」


理久の機嫌が直ったようで良かった


「ケーキと言えばさ…さっき駅前のケーキ屋から涼が可愛らしい女の子とケーキの箱を抱えて出て来たのを見かけたな…」

と瑠加がコチラの話しに入ってきた


!!

せっかく理久の機嫌直ったのに…

このっ!ノンデリ男め!


「へぇ?そう。僕も昼ごろ喫茶店で女の子と涼がチーズケーキ食べてるのを見かけたよ。よく食べるよね…お腹壊さないと良いけど」


あれ?

普通だ

普通に受け答えている

とくに表情の変化も無く…気にしている様子もない


「いや、ケーキはともかく女の子と一緒だったことにビックリしてさ~」

ノンデリ瑠加がそう続けると拓真くんが慌てて瑠加の言葉を遮る

「涼は甘いもの好きだから!スイーツ仲間の集まりでもあるんじゃない?」

「いゃ〜でもなんか親しそうだったし…いい雰囲気で…」

瑠加がそこまで言いかけたとき拓真くんが

パッと手で瑠加の口をふさいで

「涼は理久さんが大好きだから!!女の子はただの趣味仲間だよ!」

と言って瑠加を睨む



「涼は…僕と違ってちゃんと人を好きになって恋愛ができる人間なんだから、いつまでも敬愛とか崇拝?とかそんな感情で僕に構ってないで

女の子でも男の子とでも恋して瑠加と拓真くんみたいにラブラブで幸せになるべきだよ」


「え?」

拓真くんの表情がこわばる


「だから…良い傾向なんじゃない?」

「いや…でも涼は…」

理久の返しに拓真くんがオロオロしていると

理久はクスッと笑って

「拓真くんは可愛くて優しいねぇ…瑠加、大事にしろよ?」

「え?あぁ…うん…もちろん…」

ノンデリ瑠加もちょっと気不味そうな顔をして黙り込む


「さて、研究所ラボに行く準備をしないとね!」

理久はそう言って鼻歌混じりで自室へと戻って行った


拓真くんは呆然と理久の後ろ姿を見つめため息をついた

「拓真?」

瑠加が声をかけると拓真くんはたいそうご立腹で瑠加のほうを睨む

「冴木!デリカシー何処に置いてきた?」

「ご、ごめん」

「俺じゃなくて…涼と理久さんに謝って!」

拓真くんに叱られてシュンとする瑠加


拓真くんはプイッと瑠加から視線を外し

まだグッタリしている玲央と洸くんのところへ行き

胃腸薬を飲ませはじめた


うーん

さてさて

どうなることやら…


先行きは不透明ですな



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