朝のトキメキと満たされない何か
「いらっしゃいませ」
今日も朝から学生さんたちで
賑わう店内
イートインスペースには
のんびり朝食を食べている二人組の男の子
似たようなチェックのシャツにカーゴパンツ
を着ている
おソロコーデなの?
それとも類友的な感じ?
「1限出るのだりぃなぁ」
「だな このままサボっちゃうか」
目の前、学校ですよ
学校行って!
「それよりさ、今日泊まってくんだろ?」
「うん!そのつもり」
「じぁあさ 今日もアレやろうぜ!」
「もちろん!やるに決まってるだろ」
「オールでやろうぜ!何回できるかな?」
「でもさーお前すぐに先にいっちゃうからさー」
え?何回もやっちゃうの?
先にいっちゃうんですか?
朝からそんな話…大声で…
聞こえてますけど…
な、仲良しなんですね…
ゴミ箱の袋を取り替えながら
聞き耳をたてる
「や!昨日ソロでしたからさ
今日は大丈夫だよ!一緒にガンバロウぜ」
「おう!夜が楽しみだな」
「やっぱ、お前と2人でやるのが一番好きだよ」
ふと近くの席でコーヒーを飲む女の子と目が合う
少し頬を赤らめた彼女は私の目を見て頷いた…
彼女はきっと同志だ
私も頷きながら心の中でつぶやいた
『尊い会話ですね』
心の声が聞こえたのか?彼女は
目を細めウンウンとさらに頷き
また飲みかけのコーヒーを手にして
スマホに目を落とした
「ソロプレイも良いけどさ、やっぱ共闘だよな!」
「だな」
「しゃーねー そろそろ学校行くか〜」
うん
ですよね
共闘ですよね
でも朝から素敵な会話を
ありがとう!
いってらっしゃーい!
けれど…
何か足りない
何か満たされない
何だろう?
似たような会話はいろんなカップル(仮)で
わりと頻繁に聞けて
ソレはソレで
尊く楽しいのだけれど…
やっぱり満たされないんだよね
何か…