リサーチと戦略と行動
「なぁ!聞いた!?」
突然店に駆け込んできた洸くんが
いつもの席でまったりコーヒータイムを楽しんでいる三人に少し興奮気味に話しかける
「うちのキャンパスがなんかドラマのロケ地になるって!」
「あぁ、そういえば学生課でエキストラ募集してたね〜
何のドラマだろうね?」
ましろくんがちょっと興味ありげに答える
「えっと…それさ…瑠加くんの初主演ドラマだよ…昨日理久さんがそんなような事言ってた」
「え!何で早く言ってくれないの?瑠加くんの情報なのに!」
「んー ごめんねましろ
なんかドラマの内容がBLらしくてさ…ましろも拓真もちょっと嫌かなぁって心配しちゃって言うの迷ってた…」
「BL…それってさ…もしかしてこの雑誌の特集関係ある?」
ましろくんがさっき買ったばかりの雑誌をテーブルの上に置く
雑誌の表紙には半裸で抱き合っている瑠加と伊吹くん…
なんとも艶めかしい表情でこちらを見ている
「あぁ!そうそう相手役は八神伊吹くんって言ってたね!この子だね!」
そう言って涼くんが表紙の伊吹くんを指差して続ける
「瑠加くんと伊吹くんはリアル幼馴染みなんだって」
「こ、この二人幼馴染みなんだ…」
ましろくんの顔色が変わる
「……二人とも弓道やってたしな…高校の頃よくスポーツセンターの弓道場で一緒に自主練してるの見かけたよ…そこの駐輪場からサッカーコートに行く途中に弓道場があってさ…学校違うのにいつも仲いいなぁって見てた」
二人を見かけてしょんぼりしていた当時の拓真くんが
目に浮かぶ…
「な、なんか切ないな…ちょっとキュンってしちゃったよ…」
洸くんが話につられてしょんぼりしている
「まぁ、ましろも拓真も
気になるならエキストラ応募してみたら?チャンスなんじゃない?」
涼くんの提案に考えこむましろくんと拓真くん
「僕、応募してみようかな…拓真くんはどうする?」
「俺はやめとくよ…部活もあるし…それに…」
「それに?」
ましろくんがキュルンとした瞳で拓真くんを見上げる
「いや…なんでもない」
拓真くんが目も口も拳もギュッととじて首を振る
「ところでさ、さっきスルッと言ってたけど
昨日、理久さんと会ってたってこと?昨日涼って学校休んだよね?」
少しの沈黙の後、洸くんが突っ込んだ
「あーうん!昨日は理久さんと水族館に行ったんだ〜世界のカエル展ってのやっててさ、チケットもらったからって理久さん誘ってみた!」
「世界のカエル展?」
洸くんが不思議そうな顔をして涼くんの方を見る
「そうそう 理久さんってさ
魚とカエル好きなんだよね!だから誘えば高確率でデートできるって思って!楽しかったなぁ」
「どうせチケットもホントは
もらったんじゃないんでしょ?自分で用意したんでしょ?」
ちょっと意地悪げにましろくんが言う
「まぁね!いいか?ましろ確実に距離を詰めるにはリサーチと戦略と行動だよ?」
「それで涼くんは今日その浮かれた感じのマスコットを鞄に付けているのですね?ジンベイザメですか?」
「理久さんとおそろいなんだよ…コレ
理久さんはジンベイザメが大好きだからな!
想いを寄せる相手のことは徹底リサーチすることがめっちゃ大切だから!よく覚えとけよ!」
そう言ってニコっと微笑んだ涼くんと貴腐人の目があう…
すると涼くんは貴腐人と目を合わせたまま不敵な笑みを貴腐人に向ける…
涼くんの目が貴腐人に何かを訴えている…ような気がする…なんか…怖い
帰ったら玲央に報告だ…




