63.氷山の一角
「そう言えば、昨日の夜から何も食べてなかった…」
「大変だったんですね。沢山お代わりしてくださいね」
「そうさせてもらう」
「クス」
複雑な俺は、思わず女神を思い出して表情を緩めて呟いていた。右後方のサリーから励ましの声が届いた。安心な俺は、顔をサリーに素早く向けて真顔で話した。困惑な様子のサリーは、顔を逸らすと同時に笑い声を漏らした。限界な俺は、顔を戻す。
「いただきます」
「どうぞ召し上がれ」
感謝な俺は、手を合わせて話した。右後方のサリーから優しい声が届いた。待望な俺は、ロールパンを左手に、スプーンを右手に取る。スプーンで氷山の一角かのような塊を掬い上げる。シチューで包まれている塊を口へと運ぶ。鶏肉のような肉汁を味わう瞬間に塊が溶け始める。思わず目を見開いてしまい、肉汁とシチューの調和する中で頬を落としてしまう。
『ゴクン!』
至福な俺は、口の中の全てを飲み込むと同時に喉を大きく鳴らした。旨味が胃袋の底に染み渡り、思わず身震いを起こしてしまう。
「なんだこれ?!」
「それはカエル肉ですよ」
「カ…、カエル?!」
感動な俺は、思わず目を見開いて声を疑問に強く上げていた。右後方のサリーから明るい声が届いた。驚愕な俺は、思わず銭湯の水の神様を思い出して顔をサリーに素早く向けて疑問に強く尋ねていた。水の神様かのようなサリーの微笑みを確認する。顔を静かに戻す。再びカエル肉を食す。
「んーーーん!」
『ゴクン!』
感激な俺は、思わず目を閉じて唸り声を強く上げていた。続けて再び口の中の全てを飲み込むと同時に喉を大きく鳴らした。旨味が全身に染み渡り、思わず目を見開いてしまう。
「ああ、このカエル肉はまるでA5の飛騨牛のよう。だが、味わいは上質な鳥のモモ肉のよう…」
絶頂な俺は、思わず妄想の中で水の神様とダンスを踊りながら呟いていた。妄想から戻り、舌舐めずりする。他の具材も食す。ニンジンやジャガイモやタマネギの優しい甘味を味わう。思わず脱力してしまい、表情を安堵に緩めてしまう。
「野菜が美味い」
「昨日、収穫した野菜ですよ」
安堵な俺は、しみじみと話した。右後方のサリーから再び明るい声が届いた。土の神様かのようなサリーの微笑みを確認する。
「沢山食べて、元気になってくださいね」
「ありがとう」
明るい様子のサリーは、励ますように話した。感謝な俺は、笑みを見せて話した。顔を戻し、食事をがっつくように再開する。このあと、ロールパン6個とシチュー3杯をお代わりして夕飯を完食する。
「ふう~、腹いっぱいだ~」
「いかがでしたか?」
「めちゃくちゃ美味かったよ」
満腹な俺は、思わず腹を擦りながら呟いていた。カウンター越しのクラカは、俺の食器を片付けながら疑問に尋ねた。大満足な俺は、笑みを見せて返事を戻した。水を飲みながら食休みする。そして、
「あっ、歯ブラシがない」
うっかりした。
「まあ、今日は指で洗っとくか」
平和な俺は、些細な事は気にしないと呟いた。
「気に入っていただけるか分かりませんが、歯ブラシは洗面化粧台の引き出しの中に用意してあります。他にも色々用意してある物はご自由にお使いください」
「そうなのか? ああ、まだ部屋を全然確認してなかったな…」
一段落な様子のクラカは、笑みを見せて話した。困惑な俺は、思わずクラカを見つめたあとに視線を逸らして呟いていた。
「足りない物があれば気軽に声を掛けてください。一通りの物は用意できると思います」
「分かった。ありがとう。それなら、早速だけど目覚まし時計はあるか?」
「リモコンの時計のボタンからセットできますよ。なんならケリーに説明させましょうか?」
「そうしてもらえると助かる。色々分からないことが多くてな」
「遠慮せずに言ってください」
平穏な様子のクラカは明るく話し、安堵な俺は疑問に尋ねた。返事を戻すクラカは続けて疑問に尋ね、感謝な俺は笑みを見せて返事を戻した。再び平穏な様子のクラカは、笑みを見せて話した。顔を俺の背後に向ける。
「ケリー、ちょっと来てくれ」
ケリーを見つめているのであろうクラカは、声を俺の背後に飛ばした。ケリーが俺の右隣に到着する。
「どうしたの?」
「ルーティさんに目覚まし時計の使い方と、うちの宿のサービスについて色々教えてくれるか?」
「分かりました。でも今から?」
「そうだよ」
困惑な様子のケリーは、クラカを見つめて疑問に尋ねた。優しい様子のクラカは、ケリーを見つめて疑問に尋ね返した。返事を戻すケリーは続けて疑問に尋ね、引き続きな様子のクラカは微笑みを見せて返事を戻した。
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