6.大地に立つ
「はあ、はあ、なんだ、その顔は?」
「おかしいわね~。普通は、私の言い成りになるはずなのに…」
不満な俺は、両手を膝に突いて渋面で疑問に尋ねた。体勢を戻しながら腕組する女神は、右手を顎に添えて俯きつつ呟いた。
「はあ~。さっき、俺に何かしたんじゃないのか?」
「えっ、ええーっ?! あっ、そうだったわ。忘れてたわ」
冷静な俺は、呼吸を整えると同時に先程の負荷の話を思い出して疑問に尋ねた。顔を上げて俺を見つめる女神は、声を漏らして目を丸くすると同時に両腕を下側に驚くように伸ばしながらだみ声を疑問に強く上げた直後に思い出したかようにしつつ呟いて再び腕組して素知らぬ顔を左側に向けてさらりと話した。口元を握る右手で隠してくすくすと笑い始める。
(こいつ…。何をしたのかは分からないが、少し頭が抜けてるか?)
落胆な俺は、思わず表情を引きつらせて女神の力の分析を行う以前に性格の分析が重要ではないかと疑問に思考した。楽し気に体を揺らしている女神は、唐突に動きを止める。無表情のような読み取れない顔を俺に向ける。
「…、内容…」
「今から考えるのか?!」
無言で右手を顎に添える女神は、再び俯きながら呟いた。驚愕な俺は、思わずたじろぎつつ無計画過ぎるのではないかと声を疑問に強く上げていた。マイペースな女神は顔を右側に傾けてぶつぶつと呟き始め、ユアペースな俺は顔を下側に傾けてつくづくと呆れ始める。
「そうだわ!」
唐突に女神から大きな声が届いた。消沈な俺は、顔を静かに上げる。歓喜の表情の女神は、俺に小走りで迫り寄る。
「内容は、私の世界を回って冒険するって感じでどうかしら?!」
俺の両手を猫撫で声を上げた時と似たようにして握り合わせる女神は、今回は得意な表情を見せつけようと必死に擦り寄りながら話した。
「そっ…、そんなんでいいのか?!」
「えっ…、えええええーっ?! だっ…、だって、何かがありそうなんだけど…、まだ何も手掛かりが掴めてないし…」
「手掛かりが掴めてないからって、女神がそれでいいのか?!」
「だっ…、だって、しっ…、仕方ないじゃない…」
驚愕な俺は、思わず視線を鋭くして女神を体で押し戻して両手を振り解いて声高に尋ねていた。後方に数歩よろけて俺を見つめる女神は、声を漏らして目を丸くすると同時に両腕を下側に驚くように伸ばしながらだみ声を疑問に強く上げたあと、叱咤されている子供かのように俯き加減で体を左右に捩りつつ弱々しく返事を戻した。不満な俺は、その様子から更に苛立ちを覚えて思わず再び声高に尋ねていた。体を捩じり続けている女神は、拗ねた子供が小石を蹴るかのように何も存在しない地面を蹴りながら再び弱々しく返事を戻した。
「はあ~」
失望な俺は、無意識に顔と肩と溜息を大きく落としていた。虚無に捉われ始めるが、摩訶不思議な力で無理矢理に正常に戻る。
(もしかすると、心のどこかでこの女神に何かを期待していたのかもしれないな…)
正常な俺は、顔を上げて子供のような女神を見つめて認めたくない自分の弱さを突き付けられているかのようと思考した。より深く俯く女神は、地面を右足のつま先でいじけるように掘り始める。
(世の中、そんなに甘くないってことだ。それなら!)
同情な俺は、歯を食いしばりながら自分の弱さを受け入れつつそれを次の糧にしようと前向きに強く思考した。姿勢を静かに正し、二本の足でしっかり白い大地に立つ。
「仮に、俺がその異世界に行ったとしても、生活はどうすればいいんだ? 冒険者ギルドがあって、そこで金を貯めるって感じになるのか?」
「えっ?」
慈悲な俺は、嫌味を口調に少しだけ込めながらも優しく疑問に尋ねた。いじけている様子の女神は、ピクリと反応を示すと同時に声を疑問に漏らした。顔を上げてキョトンとしている表情を見せる。大人な俺は、拗ねた子供をあやすかのように微笑む。表情が歓喜に変化する女神は、俺に小走りで迫り寄る。
「行ってくれるの?!」
(やばい!)
「いちいちくっ付くな!」
「わっと」
「それと、仮に! だ!」
再び俺の両手を猫撫で声を上げた時と似たようにして握り合わせる女神は、今回は歓喜の表情を見せつけようと必死に擦り寄りながら疑問に強く尋ねた。狂気な俺は、瞬間に感情が危険と思考した。直ちに体を左側に逸らしながら女神の両手を右側に振り解いて苦情を強く話した。歓喜な様子の女神は前のめりでよろけつつ声を漏らし、冷静な俺は女神に正対して前のめりで仮にを強調して返事を強く戻した。俺に振り向く女神は、頬を大きく膨らませた。
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