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スキルマスター  作者: とわ
第一章 ムーン・ブル編
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24.ムーン・ブル

先を読みたい方はカクヨムで「スキルマスター」を検索してください。



「…ティ。ルーティ」


 曖昧な俺は、意識を平静に戻す中でマリーの声を捉えた。顔を正面に向ける。前のめりで両手をテーブルに突いているマリーを捉える。


「ふふーん。あなた、さっきから私の話を全然聞いてないでしょう」


「…」


 糸目で冷徹な笑みを浮かべるマリーは、顔を引くつかせて話した。天才な俺は、思わず眉間に皺を寄せると同時に顔を逸らしてありとあらゆる言い訳のパターンを模索するがぐうの音も出なかった。


「せっかく大切な話をしてたのに」


「わ、悪い。もう一回」


 不満な様子のマリーは、姿勢を戻しながら話した。謝罪な俺は、顔を戻して両手を合わせて頭を拝むように下げて話した。


「だめよ。他にも話すことがあるから」


「…」


 マリーの不機嫌そうな声が届いた。反省な俺は、拝み続けて返事を無言に戻した。


「仕方ないわね~。今度、また話してあげるわ」


「ありがと」


 マリーの呆れるような声が届いた。感謝な俺は、顔を上げて笑みを見せて話した。


「急ぐから、次の話に移るわね。ちゃんと聞いててよ?」


「わかった。ちゃんと聞く」


 真剣な様子のマリーは疑問に尋ね、集中な俺は姿勢と表情を正して返事を戻した。


「この街は、空気中の魔力を街全体でコントロールしてるの。例えば、魔力を建造物の塗料で吸収したりしてね。吸収した魔力は、制御装置を通して街を囲んでる外壁の強化や各施設のエネルギーに利用してるの」


 平静な様子のマリーは、慣れた口調で話した。俺を理解度を確認するかのような目付きで見つめる。


(ん~ややこしそうな話だが、ソーラーパネルみたいなものか? 確か、オーストラリアで街全体の電力をソーラー発電だけでカバーするシステムがあった気がするが…、そんな感じか?)


「技術的なことは、考えない方がいいわよ。そういうのは、専門家がやることだから」


「役割分担か…。そうだな。そうするよ」


 真剣な俺は、思わず眉間に皺を寄せながら視線を右下に逸らして疑問に思考していた。大人な様子のマリーは、笑みを見せて話した。慎重な俺は、呟いたあとに視線を戻して返事を明るく戻した。


「それじゃあ問題です。今話した仕組みで街の防衛とペットのモンスター化を防いでるんだけど、もう一つ防いでるものがあるけど分かるかしら?」


「もう一つ?」


 右手の人差し指を立てるマリーは、再び笑みを見せて疑問に尋ねた。困惑な俺は、思わず目を見張るようにして疑問に返事を戻していた。


(街の防衛とペットのモンスター化は、詳しい説明がないからこの世界の常識っぽいな。そうすると、もう一つも常識なことか?)


「最近の子は見たことがないかもしれないから、もう答えを言うわね。答えは、スライムの赤ちゃんが生まれるのを防いでいるの」


「スライムの赤ちゃんが、生まれる?」


 冷静な俺は、思わず再び眉間に皺を寄せながら視線を右下に逸らして疑問に思考していた。大人の笑みを見せるマリーは、人差し指を前後に揺らして話した。混乱な俺は、思わず顔を直ちにマリーに戻して疑問に尋ねていた。


「スライムの赤ちゃんは、魔力が淀むとすぐに生まれるの。生ごみ置き場なんかは魔力が淀み易いから、これくらい小さい、いろんな色のマカロニみたいな形のスライムの赤ちゃんが、腐った生ごみのどろどろの中から芋虫のようにうねうね動いて大量に出てくるの」


(スライムの赤ちゃんは、腐ったマカロニグラタンの美味しそうなどろどろの中から芋虫のようにうねうね動いてチーズを食い破って大量に突き出てくる…)


 微笑むマリーは、右手の親指と人差し指で小ささを表現したあとに人差し指をうねうね動かして話した。天才な俺は、直ちにマリーの言葉を理解し易い形に並べ替えながら補足しつつイメージを鮮明に起こして思考した。


「おえっ」


 迂闊な俺は、思わず顔を下側に向けると同時に声を小さく吐き出していた。


(今日は、マカロニグラタンは食べたくないな…)


「それでも万が一にモンスターが出た時は、このギルドか、地図のこういう大きな施設に避難して。大きな施設には、魔力を貯めておく装置がだいたい置いてあって、数日はエネルギーに困らないようにしてあるの。非常食と日持ちする食料も少し置いてあるから、暖かい料理が食べられるわ。その間に、私たちなんかがモンスターを処理するの。だから、この街は安全なのよ」


 残念な俺は、思わず顔をしかめて思考していた。平静な様子のマリーは、身振り手振り付けながら地図を利用しつつ笑顔を見せて話した。


「凄いアイディアだな」


「ふふん。でしょう。3年前からいろいろ見直しを始めて、最近ようやく 纏まってきたの」


 感銘な俺は、マリーを熱く見つめて話した。腰の左右に手を当てるマリーは、胸を張って誇らし気に話した。




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