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スキルマスター  作者: とわ
第一章 ムーン・ブル編
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15.マリー




 勇敢な俺は、ギルドの階段の手前に到着して出入り口を見上げる。


(こういうのは、やっぱり緊張するな)


 不安な俺は、最初に教室に訪れるような緊張感の中で思考した。


(足を踏み外さないようにな)


 慎重な俺は、視線を足元に移しながら思考した。踏面を確実に捉えつつ階段を上り切る。視線を上げ、視界に淡い光に包まれている茶系色が豊富で人々がまばらに活動している広々としたギルド内が飛び込む。


(凄い雰囲気いいな!)


 感動な俺は、思わず教室とは段違いでクラシックミュージックの流れる高級な喫茶店のようだと強く思考していた。ギルド内を興味深く観察する。


 ギルド内は、手前側に吹き抜けのある間取りのようだ。窓から差し込む日差しが木製と思われるウォールナット色の家具や床の一部を照らす。照らす日差しが反射して淡い光に変化する。淡い光がギルド内を優しく包み込む。差し込むステンドグラスからの七色の日差しの奥側に一層雰囲気を醸し出している装飾の豊かな横長のカウンター付の場所がある。


(あそこが受け付けか!)


 感激な俺は、思わず前のめりで強く思考していた。


(よし!)


 歓喜な俺は、頬を緩めて待ちきれないと強く思考した。受け付けに向けて歩き始めめる。出入り口を通過して思わず歩く速度を落としてしまう。


(見た目以上に広いな。この内装と明かり加減も最高だ)


 感銘な俺は、全体を見渡しながら淡い光を意識して思考した。視線を右側に向ける。複数枚の掲示板が広い空間に並び、数人の冒険者が集まる。視線を左側に向ける。数多くのテーブル席が広い空間に並び、数組の冒険者が寛ぐ。テーブル席の奥側にバーのようなカウンター席も存在し、Ⅰ人の女性の冒険者がガラス製と思われるジョッキを片手に1人ずつの紳士淑女なバーテンダーと談笑している。


(始めて来た場所なのに、なんとなく何があるのか分かるな! 俺はニュータイプか!?)


 興奮な俺は、思わず全体を再び見渡しながら妄想を暴走させて疑問に強く思考していた。


「兄ちゃんも飲んでくれ!」


 バーの方向から女性の声が届いた。欲望な俺は、思わず視線をそちらに向けてしまう。


「ありがとうございます。それでは、お言葉に甘えて」


「いいってことよ!」


 紳士なバーテンダーは丁寧に返事を戻し、ご機嫌な冒険者は気前良く声を上げた。冒険者は、ジョッキの中身を呷るようにして一気に飲み干す。


『ダン!』


「ぷっは~! やっぱ昼間から呑むビールは最高だ!」


「最近、頑張ってますからね」


 痺れている様子の冒険者は、俯きながらジョッキをカウンター上に叩き付けて音を立てた。続けて顔を上げて勝利宣言かのように高らかに声を上げた。グラスを磨く淑女なバーテンダーは冒険者に微笑みながら話した。


「お代わり!」


「今日は思う存分呑んで下さい。サービスもしますよ」


(なんて羨ましい! 絡まれたら絡み返して是非おごってもらおう!)


 頬の赤い冒険者はジョッキを掲げると同時に満面の笑みを浮かべて叫び声を上げ、紳士なバーテンダーは誘惑に返事を戻した。貪欲な俺は、思わず冒険者をガン見して思考していた。絡まれたい視線を冒険者に送り付けつつ受け付けのカウンターに向かう。楽し気な冒険者は紳士淑女なバーテンダーのサービスを窺いながら体を前後に揺らす。


(おかしい! ここは異世界なんだから絡まれなきゃダメだろう!?)


 不満な俺は、思わず右拳を作りながら疑問に強く思考していた。3人を順番にガン見する。淑女なバーテンダーがお代わりを、紳士なバーテンダーが小皿を用意する。冒険者が右手を小皿に伸ばしてナッツのような物を口に運び、表情が一瞬で砕けて両手を上下に激しく動かしつつ両足をばたつかせる。


(何食べてんだ!?)


 腹ペコな俺は、思わず左拳も作りながら疑問に強く叫ぶように思考していた。


(はあ~。この世界、やっぱり何か異変が起きてるな…)


 脱力な俺は、肩を落として女神の話を思い出しながら思考した。不本意に受け付けに辿り着く。


(仕方ない。あとで一杯やるか…)


 切実な俺は、我慢しながら思考した。視線を前方に向けつつ気持ちを切り替える。雰囲気を醸し出している受け付け付近は静寂な様子。カウンター越しの椅子に俯いて座る茶色の髪色の女性を発見し、その下に向かう。


(長髪か。こっちに気付かないな…)


「こんにちは」


「こんにちはー」


 平静な俺は、女性の髪型を確認しながら思考し、とりあえずと挨拶した。俯いている女性は、何かを行いつつ素っ気ない返事を戻した。


(無愛想だな。冒険者ギルドだからか?)


 冷静な俺は、女性の手元を覗き見しながら疑問に思考した。男性の顔写真付きの履歴書のような書類の束を見つめる女性は、横顔をにやつかせ始める。


(適齢期か? まあ、とりあえず聞いてみるか)


「初めて来たんだが、受付はここでいいか?」


『ガサガサガサ バタン! ガタン!』


 慎重な俺は、分析して思考し、疑問に尋ねた。慌てる女性は、書類の束をカウンター下の引き出しに雑に仕舞い、引き出しを勢い良く閉じると同時に立ち上がりながら椅子を背後に倒して大きな音を立てた。直後、髪型と大人の体型に合わせた制服を素早く整える。


(手慣れてるな…)


「よっ、ようこそ冒険者様! ここはムーン・ブルの街、冒険者ギルドになります! 私は受付を担当しているマリーで…」


(ん、後ろに誰か来たか?)


 唖然な俺は、ある意味職人だが雑と思考した。雑な女性は、言葉を詰まらせたあとに愛想良くはきはきと話し始めてマリーと名乗るが不意に話を中断した。両目を見開き始める。困惑な俺は、顔を背後に時計回りで振り向けながら疑問に思考した。


(誰もいないな…)


『バン!』


「んんんんん!」


 不安な俺は、顔を前方に戻しながら思考した。突然、マリーは両手をカウンター上に勢い良く突いて大きな音を立てた。同時に身を乗り出し、こちらを舐め回すように見つめつつ唸り声を上げた。


「なっ…、な、何だ?」


「あっ…。ふふーん♪」


 不安な俺は、思わず身をたじろがせて言葉を詰まらながらも疑問に尋ねた。声を漏らすマリーは、視線をこちらに合わせて陽気に鼻を鳴らした。


「ごめんなさい。よいしょ。冒険者登録ですか? それなら、こちらで行えますよ」


(ふう~、びっくりしたな~。とりあえず、ここで合ってたみたいだ)


 謝罪するマリーは、掛け声と共に身を戻し、察するかのように尋ねて優しく話した。安堵な俺は、思わず息を漏らして漸くここまで辿り着いたと思考していた。




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