69.召喚魔法
翌朝。
俺達は若干飲みすぎたと思いつつも、朝食を済ませた。そして部屋に戻り、昨晩の話題に上がったパーティーメンバーについて話し合う。
「メンバーを増やそうと思うけど、どうだ?」
「賛成ー」
「いいと思うよ」
「じゃあ、どんな人を入れたらいい?」
「「「ん~~~」」」
椅子に座る俺が尋ねると、ベッドに座るモモが挙手して応えてその隣に座るリリーも賛同するように頷いた。しかし、続けて尋ねると、全員で唸り声を上げてしまった。
(モンスターの群れの対処は、今は使えないがこのままリリーがレベルを上げていけば、そのうち範囲魔法を覚える。恐らく、それにモモが連携魔法を発動さてその効果範囲を広げることもできる。そうなると、モンスターの群れも怖くなくなるし…。それなら、回復支援系か? ただ、これもモモが光魔法のレベルを上げてるから、特に問題は起こらないだろうし…。そう考えると、困るんだよな~)
俺が一旦顔を上げると、2人も特にこれといったものがない様子で頭を悩ませている。
(それなら…、ここはいっそのこと、あれを試してみるか)
俺は再び顔を上げて、2人に相談する。
「召喚してみるっていうのは、どうだ?」
「召喚? どんなものなの?」
「モンスターを仲間にする方?」
「ああ」
「どういうこと?」
モモは首を傾げたが、それを見たリリーは俺に尋ねたので応えると、モモは更に首を傾げた。
「召喚は2種類あって、一つは、召喚魔法使いがモンスターなんかを指定して呼び出して一時的に操るもので、もう一つは、呼び出したモンスターと契約を結んでそいつを仲間にできるんだ。それで、この仲間にできる方は契約を解除しない限りずっと一緒に居られるんだ」
「凄ーい!」
『パチパチパチパチ』
俺が説明すると、モモは声を上げながら拍手した。そして、
「それって、どんなモンスターでも召喚できるの?」
「できるぞ。ただ、呼び出されたモンスターのレベルは1になるがな」
「それなら、ドラゴンも呼べたりするの!?」
「呼び出す事はできると思うが、それははランダムだからな。指定してドラゴンを呼び出すことはできないよ」
「な~んだ、残念。でも、面白そうだね!」
「うん!」
続けて瞳をキラキラと輝かせながら尋ねたのでそれに俺が応え、リリーも瞳をキラキラと輝かせながらこちらに尋ねたので続けて応えた。すると、モモは若干シラケタ表情で足をぶらつかせたがそのあと左右に手を突き身を乗り出して声を上げ、リリーも楽しそうな表情でそれに頷いた。しかし、
「でも、もし弱いモンスターが召喚されちゃったら、どうするの?」
「愛玩動物として、連れて行くかな~。今はメンバーに困ってないし、その募集は、時間は掛かるがギルドに頼んでもいいしな」
「そっか~。それなら、可愛いのもアリなんだね!」
「良かった! 置いていくんじゃなくて、連れてくんだね! それなら、私もいいかな~」
「弱いモンスターでも、ちゃんと面倒は見るさ。だから、安心してくれ。けど、できれば戦闘のできる奴がいいけどな」
「うん! わかったよ!」
「それなら、早くやってみよ!」
心配そうな表情で続けて俺に尋ねたので考えを伝えると、モモは納得したあと喜び、リリーもほっと胸を撫で下ろしながら喜び話をした。そして俺が話を続けると、リリーは頷きモモは俺達を急かし始め、
(せっかくの異世界だし、モンスターとパーティーを組むという事もやってみたかったからな。これでもっと、冒険が楽しくなるかもしれない)
俺は新たな挑戦に、心を躍らせながら椅子から立ち上がった。
こうして、新メンバーは召喚したモンスターを仲間にすることに決まり、このあと街を見物しながら召喚道具を取り扱う魔法道具屋を目指す。
「私、ドラゴンに乗ってみたい!」
「それが出たら凄いね。楽しみかも!」
(ドラゴン欲しいよな~。移動が凄く楽になりそうだし…。馬車を引けるモンスターもいいな~。とにかく、移動系のモンスターが出たら当たりだと思おう!)
モモとリリーの頭の中はドラゴンでいっぱいの様子で、会話が弾んでいる。俺も徐々にテンションが上がり、何が出ると何ができるかなどを話し合いながら歩みを進ることにした。
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