第三節 再会
「ハウンド、状況はどうなんだい?」
「恐らくタケルは事故で頭を打った影響を今も引きずっている。だから脳が現状を把握するのに少し時間を要するのかもしれない。」
「なるほど。俺は奴らがこの動きに気付くかどうか、気になる。ちょいと探ってくるよ。」
「了解だ、FTB。くれぐれも気を付けろよ。」
「バカ言うな、俺を誰だと思ってるんだい?」
FTBはそうハウンドにいかにもやんちゃな微笑みを向けながらタケルの元を去った。
その時、ヘルノが気付いた。「おい、ハウンド、ハウンド、タケルの目が…」
タケルが目を大きく見開いたまま天井を見つめていた。タケルは再び天井から壁に瞳を移動させ、窓から見える夜空を見つめた。
『今日は満月ではないのか?』
そのタケルの発言にハウンドもヘルノも、そして他に同席するメンバーもただ微笑むばかりであった。
「タケル、分かるかい? 俺はヘルノだよ。ヘルノ、覚えてるかい?」
タケルはその発言者の方向に視線を向けた。そしてその彼に興奮混じりに答えた。「あぁ、覚えてる。覚えているとも! ヘルノ、その顔はヘルノじゃないか!」
「あぁ、俺も君を見てすぐタケルだと分かったよ。」ヘルノは微笑み返した。
そう。タケルとヘルノは以前からSNSで個人的に交流していた。その時、二人は自らの画像などを交換していてお互いを他のゲームプレイヤー達より理解しあっていた。
ヘルノの隣にいるのがハウンドということも理解している。前回起きた時の会話を覚えているからだ。
ヘルノが高校生であることは知っているので、その顔の若さに疑いはなかった。しかし、ハウンドは確か30代前半の子持ちだった認識がタケルにはあった。
タケルはストレートにその疑問をハウンドにぶつけてみた。
意味あり気に笑うハウンドとヘルノ。
「タケル。ゆっくり、そして落ち着いて聞いてくれ。」と、ゆっくりとした口調でハウンドはタケルに語りかける。
「あぁ、俺は落ち着いてる。大丈夫だよ。」タケルは落ち着き払ってそう返事した。
「今、この現在の年代は2040年なんだ。」
「2040年…2040年…えっ、なに? 2040年!?」
タケルは寝床からガバッと起き上がった!
その目の前には鏡の如き鉄製の扉がある。そこに映った自分の姿にタケルはさらに大きな衝撃を受ける。
『な、なんてこったい!!』




