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アセンション・プリーズ  作者: 武_たけ_TAKE
第一章 戦争ゲーム
4/11

第四節 思わぬ協力者

 各リーダーとのやり取りが終わり、ひとまず私は落ち着きました。


 『あれ? 急に前節からこの話題?』


 そう思われたあなたは鋭い!


 「私」、とは「ヤマトタケル」のことでございます。今回は、この小説の主人公である私ヤマトタケルにぜひお話させてください。


 大同集結(だいどうしゅうけつ)を呼び掛ける際、正直私は非常に不安だったのです。同じ日本人でも、ゲーム上で『思い』を共有するのが困難なのに、今回は全世界のリーダーやプレイヤーが交渉の相手だったから。


 だって、思惑の思惑の裏返しの裏返しの連続じゃないですか、外交(がいこう)って。


 どこまで「他人」を信用出来るか。それが「チーム」や「国」を越えた場合は尚更ですよ。


 しかし、今回の大同集結の行動で私は思わぬ協力者を得ることになるのです。思わぬ副産物(笑)


 ファック・ザット・ビッチ…とても日本誤訳出来ない、または別の言語でも翻訳するのが(うと)まれる名前のプレイヤー。なので、皆は彼をFTBと呼ぶ。


 FTBからのメールが届いた。「よく行動した、タケル。俺はお前を誇りに思うぜ。」


 私はまず「ありがとう。」と返答した。


 そう私は返事をしたが、FTBはPHXのメンバー。内心(プリバノン、もう情報をメンバー達に漏らしてんじゃん)と苦笑いしてしまった(笑)。


 しかし、私は嬉しかった。FTBは個人行動の多いプレイヤーであるが、JPNがロシア連盟との戦いにおいて一番頼りになったPHXのプレイヤーがFTBだったから。


 FTBは常にJPNへの協力を惜しまない、血気盛んに戦うプレイヤー。まだ大学生のインド人。ナイスガイだ。


 「さて、これから一緒に大暴れしようぜ。」FTBらしいメールに私はただ微笑むばかりだった。


 「聞いたぜ。少し俺なりの警告を聞いてくれ。」


 そうメールではなくSNSで連絡してきたのはBIUのヘルノだった。私は再び(ハウンドももう漏らしてるじゃん)と苦笑いせざるを得なかった。


 しかし、ヘルノとは個人的にSNSのやり取りを敵同士の頃からしていたので、それはそれで安心出来た。


 「警告って?」私の問いにヘルノは即SNSで答えてくれた。


 「BISには中ロ連合のスパイがいる。」ヘルノがこの領域において最大のスパイであることを私は知っている。だから私は彼とのコミュニケーションを(たや)さず、可能なレベルでの情報交換を続けてきた。


 また、そのような行動を見守る私をヘルノは信頼していた。


 彼はFTBと同様、オランダ人の高校生というゲーム上ではなかなか珍しい若者のプレイヤーであった。


 「ありがとう、今後も私のサポートをぜひ頼む。」


 「あぁ、これから俺の仕事が増えるぜ!」


 なんとも頼もしい返事に私は思わず笑みを(こぼ)さざるを得なかった。


 このような各プレイヤーとのコミュニケーションがこのゲームの醍醐味だ、と私は思っています。


 だって、日本にいながら、こんなに濃密に他国の人と関われる。こんなことってそんなにないでしょ?


 なので、このゲーム辞められません(笑)

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