第五節 運営警察
「よし、爆破!」
「爆破!」
遠くで爆発音が聞こえる。
「戦闘可能人員確認!」
「点呼! 1」
「1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1」
「12人」
「1」
「13人」
「他は?」
「13人。あと2人必要だ。」
ハウンドが皆に指示を与える。今、彼らと戦う為の必要人員を確認している。
ハウンドらのチームは今、アジトから遠く離れたある廃墟ビルにいる。彼らはまだその場所を把握していない。しかし、発見されるのは時間の問題。
「各自、敵襲に備え、攻撃アイテムの設定を再確認する! 前衛レベル80,000、後衛レベルは各自の特性特化マックスで! エンジェルの使用は防衛のみ!」
「再点呼!」
「1 1 1 1 …」
再点呼の結果、どうにか15名の戦闘人員が確保された。
「タケル、俺から絶対離れるなよ、どんなことがあっても。」ヘルノは非常に落ち着いた目でそうタケルに話しかける。
「なぁ、ヘルノ。ハウンドが言ってた攻撃アイテムの設定って…。」
「あぁ、そうだ。実は俺らがやってたゲームとこの新世界は結構似てるのさ。今は緊急事態だから、後で詳しく俺がレクチャーするよ。」
「ありがとう。」
タケルは少しほっとした。
『ドドーン』
近くはないが、そう遠くもない場所で建物の爆発音がした。
「さぁ、来たぞ。 指揮はFTB、 お前に任せる。」ハウンドがFTBに指揮を託す。
「ここを取り囲まれる前に少しずつ敵を潰していく。攻撃は最大の防御なり。みんな、ここに残る以外の15名は俺に続け。」FTBは小声で皆に指示する。
「この近辺で現状敵8機を確認。10時の方向に移動する。1520 1520」
FTBの時間設定の指示に合わせ、戦闘人員各自が体内時計の15時20分のその時を待つ。
15時20分
FTBが小さく腕を10時方向に振った。
15名が一斉に廃墟ビルから10時方向の拠点に身を屈めて静かに歩を進める。
その動きはさながらよく訓練された軍隊のようにタケルには見えた。
15名が10時方向の拠点の建物の影に隠れる。
「敵2機が11時の方向の建物に潜伏。まず、時限ランチャーで建物を爆破、その後即加速レーザーで2機を潰す。」
「ターゲット、11時方向建物。時限ランチャー、時間。」
「23 25 22 20 19 …」
「25 ゴー」FTBが一番ランチャー時間の遠いメンバーに指示する。
「オーケー、イン 5」
初動のメンバーは心の中で5秒を数える。
「ゴー」初動メンバーがランチャー発射。他のメンバーも着弾時間を初動メンバーに合わせて発射する。
ランチャー弾が白い煙の軌跡を背後に帯ながら11時方向の建物に順次向かっていく。
「ナイス、いいぞ、みんな。」
『ドドドドーン』
11時方向の建物が見事に破壊される。着弾時間を合わせることで、大きな爆発力が発揮されるのだ。
「次 ターゲット 座標280:560 加速レーザー。」
「ゴー」
15名のメンバーが一気にレーザー攻撃をターゲットに向ける。
球体形状の運営警官に15名のレーザーが集中する。球体が太陽の如く輝き、膨張していく。
「一気にいくぞ。火力を上げろ。」FTBがさらなる攻撃力の増加を要求する。
運営警官の球体がさらに膨張し、隣りにいたもう一機の運営警官を包んでいく。
『パーンッ』
大きく、乾燥した破裂音が響いた。
『よし!』
『やったー!』
「まだ、待て、6機残ってる。」皆が歓喜するのをFTBは遮る。
その時、頭上で発光体が無音で爆発したようにFTBには見えた。
『みんなっ! 身を隠せっ! 偵察されるぞっ!』




