第四節 新世界
『おい、なんてことだ!』
タケルは、鏡の如き鉄の壁に写った自分の姿に驚愕した。
彼の姿は明らかに自分であった。しかし、それは今の彼ではない。
それは、過去の彼だった。
「タケル、今の君はちょうど遺伝子情報上最高のパフォーマンスを発揮する年齢に設定されている。それは大体18才から20才の設定だ。」
フリーズしているタケルにハウンドはそう説明した。
「設定…。」タケルはまず、今自分が置かれている現状を受け入れるのにただただ必死だった。
「まずはさ、少しずつでいいから、この新世界に慣れてくれよ。君はまだ事故の衝撃の影響が残ってるだろうし。」そうヘルノがハウンドに続いた。
「新世界?…そうするより他なさそうだな。」
タケルは素直にヘルノに答えた。
ハウンドが大きくため息をつき、タケルに語りかける。「まずは落ち着いて聞いてくれ。2039年、この地球に大天変地異が起こった。そして…」
ハウンドがそう話始めたところでFTBが部屋に駆け込んできた。
「どうやらそうゆっくりとはしていられなさそうだぜ!」
「どうした! FTB!」
「奴等がタケルの復活に気付いたようだ! 早くここを撤収してアライアンスの構築を急がねばならない!」
「くそ! 早すぎる!みんな! まずは腕のバーコードを極力防げ! 不要なものは全て捨てろ! このアジトは即座に破壊する!」
「ラジャー!」皆が迅速に、そして冷静にハウンドの指示に従う。
「タケル、大丈夫。俺が君を絶対に守るよ。」そうヘルノが微笑み、タケルの為の身支度を始める。
「ゴーゴーゴー!」「みんな落ち着け! 奴等はまだここを見つけたわけではない! しかし、急ぐんだ!」FTBもメンバーを鼓舞した。
『ドーン!』『ドドーン!』
どこかで、でもそう遠くないところで爆発音が数回鳴り響く。
「おっと、どうやら奴等は落ち着かせてくれないらしいな。」苦笑いするFTB。
「急げ!」「急ぐんだ!」
ハウンドの悲鳴のような怒号がタケルの耳を支配した。




