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東慎吾君はまた不幸になるそうです

執筆、投稿、いずれもマッハ!


どうも、3話続けて謎の勝負に巻き込まれている生粋の被害者体質のオタクである東慎吾です。

今は第80戦、流石によゐこは寝る時間なのでこれで勝敗が決まらなかったら後日に回そうと決まり、やっとこさ帰れると安堵してます。


『最終戦はこれだ!』


『彼の心を射止めろ、コスプレ対決!!!』


「コスプレよりも普通のコーディネートで勝負しろよ!!!」


『いやぁ、流石に普通のコーディネート対決だとつまらないのでこうしました』


ファック! 1ミリも話が通じないぞガッデム!

思わず最低な事を連発してしまうが、2人共二次元から出てきたような美少女。

性格を含めると微少女だが、個人的には少し気になってしまう。

オタクのサガだね♪

1人で落ち込んでいると、何処からともなく簡易更衣室が現れて2人共その中へと消えていった。

そして15分、係員の人が司会の2人に何かを耳打ちすると元気よく声を張り上げてきた。


『どうやら準備が整ったようです!』


『それでは華小路様からどうぞ』


「お待たせしましたわ指揮官様!」


「わーお」


そこに居るのは翔鶴型航空母艦のネームシップである格好をした華小路さんだった。

髪は何かを使って白く染め、優雅な和服にフルートみたいな笛を手にしている。

大陸の翔○だったのには驚きだが、スタイルとかたたずまいが優雅な辺りやっぱりお嬢様なんだと思える。


「綺麗だ……」


「ひうっ!?」


「あ、ごめん……キモかったよね」


出会って数時間のその他凡骨にこう言われたら普通は引くわな。

でもだ、でもこれは本心からの言葉だ。

一文字で表すなら『雅』を全面に押し出してる華小路さんの姿は、さながら1つの完成された美だ。

コスプレともなると、やはりと言うべきか服に弄ばれるのが普通なのにそれを無視して完全に着こなし、コスプレ感を無くしてるこの姿は綺麗すぎる。


「いいえ、褒めていただけて嬉しいのです!

先ずは婚姻届にサインをしていただいてから清く正しい突き愛を!」


「でも中身は残念だった!!!」


最初の言葉だけで終わらせてればかなりヤバイのに、後半の言葉のせいで台無しだよ!

1人嘆いて居ると、今度は花見さんが更衣室のカーテンを開けた。


「どう……ですか?」


へそやら太ももが出た鎧に十字架に円を足したような不格好な盾。

そして紫に染められた髪は完全にあの後輩です、はい。


「ん~、なんで君達は僕のアレを知ってるの?」


「ハッキン……愛?」


「淑女の嗜み故にですわ!」


「愛が重いぜ」


2人共似合いすぎて、最早二次元から出てきたとしか言えない程の素晴らしさだ。

これに甲乙着けるのは難しいです。


「その勝負そこまで!」


僕がどうするか悩んで居ると、突然お爺さんの声が響いてきた。

姿勢を正させる程の力を持った声、僕達はその発生源を思わず見てしまう。


「か~っかっかっか、愛に生きるは良しとしよう

しかし花見に華小路の娘よ、このドームはちと儂が使うのでおしまいじゃよ」


やたらと厳つい和服に腰まで伸びた白髪。

そして杖をついて歩く姿は、漫画に出てくる『御老公』系のキャラその物だ。


「老師!?」


大木(おおき)様!?」


「え? 誰?」


「か~っかっかっかっ、儂を知らぬとは豪胆な小僧だ

聞けい! 儂は彼の有名なBIG5を束ねる大木銀行の頭取、大木厳正である!」


大木銀行!?

スイ○銀行の何倍も恐ろしい程大きく、安心安全度が高いことから裏表皆から愛されてる超絶化物銀行のトップ!?

僕はお爺さんの地位に驚き、1人でアワアワしているとその姿を見て陽気に笑い出す。


「安心せえ小僧、別に取って食ったりはせんわい

それより────」


「頭取、歩くの早いですよ

またポックリ逝きかけちゃいますよ」


お爺さんの後ろから見慣れた顔の人がスーツを着て出てきた。

ヤバイ程のイケメンでヤバイくらいに紺のスーツが似合ってるあの人の名前は……


「兄さん?」


「あれ慎吾、どうしてここに?」


「いや兄さんこそ、どうして?」


「ぬ? お主、大地の弟か?」


不思議そうに訪ねてくるお爺さんに、僕は小さく「はい」と肯定しておく。

それよりなんで兄さんが此処に?


「言ってなかったっけ? 俺、大木さんの秘書のバイトしてるんだ」


「待てやゴルァ!?

なんでとんでも銀行のバイト? どうして秘書? 何故にそんな地位に!?」


「話すと長くなるから簡単に説明するね♪

通学途中倒れてるお爺さん発見

現代で治せない不治の病のせい

実験がてらに治す

感謝されてバイト開始、だな」


「軽く革命を起こすな兄さん!!!」


相変わらずのとんでもっぷりに頭を悩ませてしまう。

もうやだ、うちの家族は父さんと僕以外はチート過ぎるよ。


「ほうほう、大地の弟か

ならば決めたぞ」


「何をですか?」


疲れた僕は冷たく突っ込んでしまう。


「実は儂には跡取りが居らんでな、ゆくゆくは大地に社を任せようと思っていたのだ」


「まぁ、1聞けば1000覚える兄さんならなってもおかしくは……いやおかしいよな?」


「じゃが、如何せん彼奴は女子に興味が無さすぎる

して儂は今此処に宣言しよう」


お爺さんは息を大きく吸うと、力強く声を張り上げ目を大きく見開いた。


「大地の弟を射止めたBIG5の者に社を任せる!」


「ふざけるなジジイ!!!」


なんで僕なんだよ、どういった話の流れで僕になるんだよ、どうして僕を的にしたんだよジジイ!!!

兄さんでいいだろ、イケメンだし天才だし凄いしで完璧じゃんかよ!


「疑問に思っておるな?」


「そりゃまぁ」 


「理由は簡単、面白そうだからじゃ!」


「いっぺん表出ろや!!!」


ガチでキレてしまう。

なんだよ面白そうとかさ、僕なんかよりも兄さんを対象にした方が何倍も面白いだろ!

賢者の~とか、ゾッ帝~の主人公の何倍もナチュラルでチートなんだぞ歩けばそれだけで女が寄ってきて、動けば軽く革命を起こせる化物なんだぞ!

大念寺さん並みに出る世界を間違えてるなんて言われてる兄さんじゃなくて何で僕なのさ!


「BIG5は解るかな?」


「食糧関係の華小路

工業の花見

不動産の花澤

機械の花吹雪(はなふぶき)

運送の華夢(はなゆめ)……ですよね?」


「うむうむ、それ位は理解しておるか」


そうそう、説明が遅れたけどBIG5ってのは世界でトップを取ってる会社の事だ。

お偉い人は大木から咲く5輪の花(華)なんて例えてるんだよね。


「そう、その娘達5人が(多分)お主を狙ってしのぎを削るじゃろう!

行け若人よ!」


「日本語を喋れ糞ジジイ!!!」


もう何なの、僕はこう言った事でオモチャにされる宿命を背負った残念な男の子なの?

思わず項垂れ、兄さんからの要望で余った食材を使い料理を振る舞って家に帰るのだった。

誰か、マジで助けて。

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