表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

76/312

今度は親子喧嘩です。

 気持ちを確りと整理しながら、船は補給の為、ザカメレアの港に近づいていったの。

 ザカメレアの港には先に到着したカルメロ達の軍艦が遠くから確認出来る。

 でも、様子が変だったの、皆の至る所に兵隊が待ち構えていて、歓迎していないのが一目瞭然だったわ。


 じい様が全てのベジルフレア王国の船に指を点滅させて停止の合図を出すと、ザカメレアの港から軍艦が此方に向けて動き出したの。


「じい様、これって!」


 焦る私は大声をあげた。


「うむ、待ち伏せだな。しかし、ざっぱじゃな? もう少し上手く配置すりゃあいいのに、本当にザカメレアの連中は進歩しないのぉ」


 冷静過ぎるじい様に私は驚かされたわ、その事実を目の当たりにしたラッペンお爺ちゃんが船の先端に立ってフレイムドラゴン(ボルド)2体のグリフィン(トスカとロゼ)の3体を一気に召喚したの。


「ちと、行ってくる。ザカメレアのアホ共にボルドの炎でお灸を据えてやるわ!」


 勢いよく飛び出そうとするラッペンお爺ちゃんに私は慌てて声をかけたわ。


「ストップ、待ってお爺ちゃん! 先ずは話し合いからにして、いきなり攻撃は不味いわよ」


 私の言葉に渋渋頷いて見せるラッペンお爺ちゃん、止めなかったら間違いなく港から炎が上がったわね。

 

 そんな中、次第に近付くザカメレアの軍艦、じい様が私とメリル、ナッツにある質問をしてきたの。


「今から港までを一気に凍らせる。冷氷魔法は使えるか?」


 発想のスケールが恐ろし過ぎるけど、今はそれが一番だと私も思う。


「じい様、任せて。私もメリルも冷氷魔法は使えるわ。ナッツも多分使える筈よ」


 ナッツが頷くと、じい様を中心に私達がサポートをする事になったの。


「ならば、行くぞ! ハァァァァッ! 絶対零度の世界(アイスワールド)!」


 じい様の凄まじい魔法は一気に海を凍らせたわ。

 凍った海を更に私達三人が冷氷魔法で厚い氷にしていくとザカメレアの軍艦が氷に阻まれて動きが止まり軍艦の周りに更に氷の壁を作って兵隊が進んで来られないようにしたの。


「ふん、年寄りの集まりと麟鳳亀竜を侮るから、しっぺ返しを食らうんじゃ。メリル、カミルをベジルフレア王国まで送ってくれ、ラッペンも一緒に行って構わんぞ、どうせ、儂一人でザカメレアなど十分だからな!」


 頼もし過ぎるじい様に私は鳥肌がたったわ。

 本当に麟鳳亀竜をよく何とか出来たと私自身が驚いたもの。


「じい様、ありがとう。絶対にベジルフレア王を説得するから」


「駄目なら好きに暴れろ。そん時は麟鳳亀竜のグラベル=キッシュがバカ弟子の味方をしてやる」


 じい様の言葉に背中を押されて、私とメリルはラッペンお爺ちゃんの使い魔(トスカとロゼ)に乗せて貰って一気にベジルフレア王国まで飛び立ったの。


 グリフィンの背から見る景色は私の知る大空と違う景色を見せてくれたわ。


 空気はまるで冷気のように肌を冷たく撫で、姿勢を低くしていなかったら息すら出来ないかも知れない。そんな中、横目に入ってくる景色が一瞬で通り過ぎると私は初めて新幹線に乗った時の子供のように心が踊ったわ。

 久々に感じる元の世界の感覚、私はこの世界で何が出来るのかを改めて考えさせられた。


 私がそんな事を考えていると、歩けば数日掛かる道程を2時間足らずで移動したわ。

 髪は少し凍ってるし、メリルは余りの寒さに身を震わせていたわ。


 そして私達はベジルフレア王国に辿り着いたの。

 ラッペンお爺ちゃんの案内で王都ライパンにある城の中に足を踏み入れたの、城の中には、ルフレが私達を待ち構えて居たの。


「父上……此処より先には通す訳には行きません。どうかマドラッド制圧にお戻りください」


 私達の行く手を阻むように兵隊と共に道を塞ぐルフレ。


「何でよ! 私達はマドラッドから和解に来たのよ、なのにわざわざ争いを求めるの!」


 ルフレに対してそう語る私に対してルフレは真っ直ぐに正面を向き、真剣な面持ちで声をあげる。


「そんな事は分かっている……だが、私は軍人なのだ。騎士である以上、王の言葉は絶対なんだ。分かってくれカミル」


 そう言うとルフレと私の間を割るようにラッペンお爺ちゃんが口を開いたの。


「言って分からぬなら、騎士である貴様を儂が叩きのめす。バカ息子に分からせるのが親ってもんだ」


 ラッペンお爺ちゃんの顔は今からルフレと戦う事を楽しんでるようにも見えたの。

 ルフレも同様にラッペンお爺ちゃんを確りと直視して微動だにしない。


 今から始まる規格外の親子喧嘩に私は動けずにいたの。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ