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まさかの2回目なんです!

 遣るしかないと覚悟を決めた私と既に諦めてる魔王、まったく……イライラするじゃないのよ!


「コラッ! ペンネ! アンタはマドラッドの魔王なんでしょ、確りしなさいよ」


「妾の名前を勝手に略すでない!」


「アンタなんか茹で過ぎの腰抜けペンネで十分よ! 何が世界の王よ。夢がデカくても遣る気が直ぐに折られるなら初めから遣らなきゃいいのよ!」


「な、妾が腰抜けじゃと! 言うたな!」


 ペンネルの遣る気は戻せた見たいね。ペンネの氷を解除してから、魔族達のサイズを元に戻した私達、でも、大艦隊が到着するのが早すぎる、大砲の射程が長すぎるわね。何とか足止めしないと!


「ペンネ! 私に力を貸して、今からあの大艦隊を何とかするから」


「フン、人間に協力などするか! 妾は妾の戦いかで何とかするのみじゃ!」


 ダメだ、分からず屋だわ。


 ペンネはマドラッドの魔族から飛行できる戦士達を集めると私の制止を振り切って大艦隊に向かって飛びたったの。


 確かに相手が1隻なら効果はあるけど、大艦隊が相手だと、話が違うわ。


「メルリ、私達もガルーダで向かうわよ! ペンネも魔族も私の前では死なせないわ!」


 時間がない! バカ魔王を助けなくちゃ!


 ガルーダが海上に辿り着くと激しい大砲の音と火薬の香り、艦隊から撃ち放たれた砲弾をかろうじで回避しながら突き進むペンネの姿があったわ。


 まだ、誰もやられてない!


「まだ間に合うなら助けるッ! 行けぇぇぇぇッ!」


 艦隊の中央から母艦であろう巨大な軍艦に特攻するペンネの姿があったわ。


「無謀すぎるわ、あんなの的にされるだけじゃない! ペンネの奴、冷静じゃないわね!」


 ペンネの防衛魔法に次第に亀裂が入ってるわね、仲間を守る為に広範囲に広げてるんだわ。


「あと少しじゃッ! 親玉を落とせば妾達の勝利じゃ! 者共続けぇぇぇッ!」


 ペンネの掛け声に感化される魔族の飛行部隊は黒い矢のような陣形をとりながら艦隊に攻撃しながら母艦へと進んでいったの。


 上空からペンネの元に向かう私は艦隊が不自然に真っ直ぐ並んでいる事に気がついたのその先に停止する母艦、艦隊で作られた真っ直ぐな道の先に横から進んでくる軍艦が1隻あったの、ペンネ達は単純な罠にハマったみたいね。

 しかも、道を塞ごうとしてる軍艦に気づいてないみたい。


 更にペンネ達の進んできた道を塞ぐように艦隊が方向転換を開始したの、完全に挟み撃ち状態じゃない。


「ペンネッ! 止まりなさい!」


 私の声にペンネ達が反応して飛行速度が遅くなった瞬間、私は出口に軍艦が辿り着く前に冷凍魔法(コルコル)で巨大な氷の柱を海面に作り上げたの。


「何をッ! 邪魔をするでない。あと一歩で敵の親玉を駆逐できるのじゃぞ」


 ペンネ達の動きが止まった瞬間、艦隊から一斉に弓を構えた兵士達が姿を現し、艦隊のデッキを埋め尽くしたの。


「ペンネ! 早くマドラッドに戻りなさい!」


 ペンネ達の周りに防衛魔法と風魔法を作り出した私は言う事を聞かないペンネを気絶させて、ガルーダと共にペンネ達をマドラッドに引き戻す事に成功したわ。

 特攻で怪我した魔族もいたけど、全員無事に連れ帰ったわ。


 戻る際に艦隊が進めないように厚い氷でマドラッドの周りを覆ったの、時間稼ぎにはなるわね。


 マドラッドで意識を取り戻したペンネは私に掴み掛かり怒鳴り付けてきたの。


「何故、邪魔をした! ミルシュ=カミル! やはり人間など信用できん!」


 パチンっ!


 私はペンネの頬を平手で叩いた。


「何をするのじゃ!」


「仲間の命を天秤にかけて勝利しようなんて無茶する奴、私だって信用できないわよ! でも、アンタを信用して最後まで命をかけて着いてく連中がいるのよ!」


 悔しそうに私を睨み付けるペンネ、でも、確りと理解してくれたみたい。


「ペンネ、もう一度お願いするわ。私に力を貸して頂戴、私達や使い魔達だけだと限界があるから、わかるわね?」


「仕方ない、カミルよ力を貸す、妾を協力させるのじゃ、敗北は赦さぬぞ!」


 ……『ペンネが使い魔になりました』


 え、え~と……またやっちゃった。


 私の方を見て目を大きく開き口が開いたままになるペンネ。


 その光景にアララとデンキチ達が“またか”と言わんばかりに溜め息を吐いたわ。


「謀ったな! 妾を、魔王を使い魔にするじゃと!」


 私もこんな展開予想外よ!

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