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一騎討ちになっちゃったんです!

 私こと、ミルシュ=カミルを本気にさせた魔王軍が悪いんだから、容赦はしない、と言いたいけどマルルとの約束があるから仕方無いわね。


 ビルクの力で小さくなっても流石魔王軍ね。

 世界に宣戦布告するだけあって、勢いとか半端なさ過ぎるわ。


 魔王軍の中で一際目立つのが獅子(しし)の頭の大男。

 ビルクの力で小さくしたのに巨大化する能力が有るみたいでどんどん巨大になってくわ。


『ガハハハッ! 人間が魔王軍幹部のガレオン様に勝てると思うな! 貴様等など俺様一人でも十分だ』


 まさに百獣の王ね、でも、巨大化出来るのは一人じゃないんだからね!


「デンキチッ! 一気に決めるわよ」


 上位水魔法(ウォルウォル)


 デンキチに対して私が大量の水を撃ち出すと獅子頭の奴が笑ってたわ。


『なんだ? 仲間割れか! だから人間は信用ならんな』


「良く見なさい! デンキチの力は無限なんだから! ぶちかまして頂戴! 行けぇぇぇぇデンキチッ!」


『ハイよぉぉぉぉッ! ヌガァァァァッ!』


 水を一気に吸い込んだデンキチが獅子頭を一気に追い越して巨大化していく。アララのあけた天井を抜けて下にいる獅子頭を見下ろすデンキチが手を振り上げると獅子頭に対して降り下ろす。


 獅子頭が一撃で目を回して気絶すると場の空気は一変したわ。


 羽の生えた鳥人間みたいな連中も必死にデンキチを攻撃するけど、息の一吹きで地面に落下したわ。


 下で私が風魔法でキャッチしてるけど、数が多いし範囲が広いから大忙しよ。


 スカーとメガも小さくなった魔王軍を踏み潰さないようにしながら次々に気絶させてくれてたわ。


 私は作製魔法(アトリー)で力を奪う鎖を大量にコピーすると手錠にアレンジしてから其れをメルリ達に渡して魔王軍の手に付けさせたの。


 タウリの移動術もかなりの物で次々に増援に現れた魔王軍の兵士に手錠を付けると峰打ちで気絶させていったの、タウリの格好いい所を見せてもらったわ。


 気付けば、魔王軍は総崩れ、アララの光魔法が更に魔王軍の戦意を()いでくれたわ。

 同時に私が片手に巨大な炎を片方には冷気の炎を作り出し、体を闇魔法を防壁のように包み込む姿に魔王軍の戦意は完全に無くなったみたい。

 立ち尽くして小さくされたペンネルを魔王軍の誰もが見つめてるわ。


 最後のダメ押しに洋館を空間魔法(ストッカー)から出すと数もサイズも私達の圧勝になったわ。


「終わりにしましょうペンネル。今、謝るなら許してあげるわよ?」


 まぁ、元よりペンネル達には派手な事は出来ないんだけどね。


「ふざけるな! 妾が人間に頭を下げるなど有り得ぬ事だと知るがよい。本気になった妾の怒りを知るが良いぞ!」


 睨み付けてくる眼に諦めた様子は無いわね……仕方無いか?


「ビルク、ペンネルのサイズを元に戻して、アララッ! 皆も確り聞いて! 今から1対1で遣り合うわ。邪魔が入らないようにして」


 私の発言にビルクが珍しく心配してくれたの、良いところあるわよね?


『おいおい? 本気で元のサイズにするのかよ! カミルが強いのは知ってるが、オススメ出来ないぜ』


「大丈夫よ、ビルク。アンタの主人を信じなさい。それにペンネルも本気で遣らないと諦めてくれないわ」


『チッ、勝手にしな! だか、俺はお前が負けるなんて赦さないからな!』


 ビルクは私の指示通りにペンネルを元のサイズに戻すと最後にもう一度舌打ちをしていたわ。本当に心配してくれたんだと改めて感じたわ。


 私とペンネルの周りにはアララとメルリの防壁魔法が展開され、デンキチ達が邪魔が入らないように魔王軍を睨みを効かせてくれてたわ。


「さぁ、始めましょう? 私の力を思いっきりぶつけるわ」


「妾の前に立つ事の愚かさを思い知らせてくれる! ミルシュ=カミルと言ったな、やはり先に標的に選んで正解じゃったわ」


 私とペンネルの魔力が全身から解き放たれるように剥き出しになると魔力の渦が次第に広がり私とペンネルを囲んでいた防壁魔法に次第に亀裂が入っていくのが分かる。

 魔王の魂が人間の肉体でこれ程の威力の魔力を出せるんだもの、肉体が本来の魔王の物だったらと思うと泣きたくなるわね。


 まるで勝ちを確信したようなペンネルの顔、油断できない事は十分理解してるわ、多分、最初の一撃が本命の筈、絶対に負けないわ。

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