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旅に道にと楽しみです。

 ザカメレア王国最初の関所を突破した私達は本来立ち寄る筈だった関所の先にある町“ジャルニジル”を素通りする事にしたわ。

 理由は関所の方から、ジャルニジルに向かって来る筈がない時間である事、騒ぎになり大事になると厄介と言う二点が理由よ。


 暗闇の寝静まる町を横目で眺めながら、過ぎていくのは凄く虚しい気分だわ。

 そんな私達の馬車の前に立ちはだかる人影。


 月明かりが辺りを照らし出すと先程、一緒に関所を越えた行商人達が捕まっているのが分かったわ。

 やはりバレるわよね、それにしても早過ぎないかしら?


「う~ん、取り敢えず聞くけど? 貴方達は誰なの!」


 多分、役人かな? 参ったなぁ。


「俺達は盗賊団、月組だ! 大人しく捕まりな!」


「あぁ、なんだ盗賊なんだ。私達を捕まえに来た役人かと思って焦ったけど良かったわ」


 私の返しに顔を見合わせる盗賊達とナッツとタウリ。


 簡単な話よね……役人じゃないなら、叩きのめすまでだわ。


「メルリ、全力で行くわよ? タウリ、ナッツも良いわね!」


 各々が返事を返してきたので全員一致ね。

 さて、私に剣を向けてる盗賊をどう料理使用かしら。


「15人か? 使い魔は必要ないわね」


 あら? 私の言葉に盗賊達怒り爆発見たいね? 一斉に剣を抜いてるわ。


「カミル、取り敢えず、お前は手を出すな、いいな!」

「あら、タウリ私を守るつもりなら、大丈夫よ?」


 私は内心タウリが成長した事実に喜びを感じていたわ。


 でも理由は違ったのよね……


「違う、一般の盗賊相手にカミルが戦ったら死人が出るだろ、流石にそれは避けたいと言うか、カミルがそんな事をする姿を見たくないだけだ」


 まぁ、優しさには変わらないわね。


 と言うわけで! 手加減ありの私はメルリとペアに、ナッツとタウリが同様にペアになったわ。


 タウリとナッツの息はピッタリでタウリが攻撃を仕掛ける度にナッツが敵の足場を泥や沼のように変化させて、武器を弾きと張る遣り方ね、実に見事だわ。


 私とメルリはシンプルに水魔法と氷冷魔法を使うことにしたわ。


「メルリどっちが氷冷魔法を使う?」

「またまた、お嬢様程、上手く氷冷魔法をギリギリの温度で操れる方はおりません」


「そうね。なら私達も始めましょうか」


 メルリの水魔法が盗賊の間を縫うように突き進むと私の魔法で水が氷に姿を変えると聞こえる盗賊の叫び声。


「ギャアァァァァ、何だこれッ!」

「うわぁ、動けないぞ」


 盗賊の周りをぐるりと囲むように無数の鋭い棘の刃にしたのよ。


 此れで朝までは動けない筈よ。

 何せ絶対零度だもの、強度は剣より強しだして、盗賊には悪いけど相手が悪かったわね。


 そんな私達は、捕まってた行商人の人達を解放して一件落着と思ったんだけど。


「あの、すみません。助けて頂きありがとうございました。私はミルホと言います。私達は“ククルペン一座”と言う旅の行商、つまりキャラバンなのですが、少しお願いが」


 キャラバンのミルホからの提案は、ザカメレア王国迄の護衛役の依頼だったの。


 まぁ、冒険者って事で旅してるから問題は無いんだけど? 護衛何て出来るのかしら?

 何て悩んでたんだけど、タウリとナッツが「引き受けてあげよう」と言って来たので受ける事にしたの。


 そうとなれば! 2台の馬車で突き進むわ。


 新たな旅の仲間にミルホとククルペン一座の人達も加わり陽気な音楽と歌声に包まれながら、夜の砂利道を楽しく愉快に走り抜けたわ。

 私達の目指すザカメレア王国迄は約4日の道のり、楽しく過ごせそうだわ。


 ゆっくりと流れる時間は空の暗闇をうっすらと青く染めていったわ。


「凄く眠い……少し寝るわ。メルリ、何かあったら起こしてね」


 私達は代わり代わりに仮眠を取りながら完全に日が上るのを待ったの。


 一人辺り、一時間くらいの仮眠だったけど、少し寝れたお陰で何とか、がんばれそうね。


 丁度いい川辺を見つけて休憩、御昼までの三時間と昼食の一時間の合わせて四時間で体を休めてお腹も満たしたのよ。


 昼食はククルペン一座の人が私達も加えた人数分の料理をしてくれたの。

 私達は別れて魚を捕まえたわ。


 料理はラビット肉の煮込みにパンだったわ。

 凄く濃い目に味付けされてたけど、疲れた体には凄く力になるご飯だったわ。


 ラビット肉はベジフレアでは余り食べない食材だったので貴重な経験が出来たわ。


 さあ、午後も頑張るわよ! 

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