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私は幸せです──エンド

 私が神を引き受ける事実と共にペンネの魔王復帰が五国同盟に知らされる。


 それを聞き、シュビナが立ち上がる。


「奇遇だな、カミル。俺もお前に黙ってある計画を進めていたんだが……バトラング王国、国王は本日より全ての権限と王位を此処にいる、我国の大魔導師ミズチに譲渡(じょうと)する。理由としては、カミルと同様に夫婦である以上、俺が国王ではカミルの行動を無下にするからに他ならんからな……」


 話は既についているみたいね、ミズチさんは一歩前に出ると若返った見た目とは裏腹に確りとした口調で挨拶をしたの。


「御初に御目に掛かる方の方が多いようですね。私は初代バトラング王国、国王 カルム=ヤシマの妻であった者です。名をカルム=ミズチ。シュビナ、後悔が無いならば、此れより、バトラング王国を任されましょう?」


「聞かれるまでもない。後悔など、有りはしない。すべてを任せたぞ。バトラング王国女王」


 シュビナとミヅチさんの会話は終わり、バトラング王国は発言を終了する。


 最後のレナクル王国は復興に関する報告と、国内で起きた大臣と将軍、複数貴族による反乱を未然に防いだ事実とそれに伴い、大臣を含む多く者が世代交代となった事実を告げた。


 この場で、国家の内情を話す事はかなり勇気のある行動であり、リスクを覚悟しなければならない。


 そんなレナクル王国、女王であるサンデアは堂々と内情を語り、挨拶をすると席に腰掛けた。


 私が五国同盟の会議に出るのは此れが最後になるだろう。


 会議が終わり、王達が国を目指し帰っていく。


 シュビナと私の国王引退は直ぐに五国同盟全ての国に伝えられる事となった。


 【バトラングの暴君】【マドラッドの大魔王】と呼ばれていた二人がいっぺんに権力の座を譲るなど、誰も想像していなかった事態だから、当たり前ね?


 この五国同盟の会議から直ぐ、カルム=ミズチの名がバトラング王国で叫ばれる。


 国に秩序を護るための法を定めたの、それにより、今まで罪人は斬首などの極刑か幽閉を基本としていたバトラング王国に確りとした法律が生まれ、軍隊とは別に警備組織が作られる事となっていったわ。


 学校や医療施設などの建設も更に勢いを増し、レナクル王国との技術協力を結ぶまでに至ったの。


 マドラッドはペンネが以前よりも張り切りながら輸出国としての絶対の地位を手にしている。


 各国に子会社を作る事が許される程の信頼を手にしていたペンネは私の会社だったハニーカンパニーも引き継いでくれているわ。

 

 そして、私とシュビナはひっそりと故郷の地、ベジルフレア王国【アマト村】で暮らしている。


「カミル……本当に予想外な事ばかりするやつだな、正直、驚いたぞ」


 洋館の庭に腰掛ける、私とシュビナ。そんな中、メルリが紅茶を注ぐ。


 当たり前のような光景。


「お嬢様、(わたくし)も、そろそろ、ミズチ様の元に向かいます。何かありましたら絶対に呼んでくださいね! シュビナ様、お嬢様をお願い致します」


 洋館の中に作られている使われていない多くの部屋の扉の一つに入っていくメルリ。


「真面目ね、まあ……ミズチさんもメルリを重宝してくれてるからいいんだけど」


 私の発言にシュビナが軽くうなづき、紅茶を口に運ぶ。


「まさか、洋館の扉を世界に繋げるなんてな、本当に神とは常識を(くつがえ)してしまう存在だな?」


 そう、私は異世界トンネルの応用で、ララリルルの世界を洋館の扉に繋いだの。出口は各国にあるハニーカンパニーに繋がっているわ。


 メルリは扉を通りバトラング王国へと向かったわ。


 扉にはそれようの鍵がつけられており、鍵を差し込む事で洋館と出口を結ぶ空間魔法が発動する仕組みになっているの。


 因みに、サトウはレナクル王国とバトラング王国の往き来をする為の鍵を所持しているわ。


 私の元を離れ、今、住んでいるのはレナクル王国となっているの、理由はタリヤンとサトウが結ばれたからね。


 タリヤンがサトウに告白したと聞かされた際には本当に驚いたわ。


 サトウはそれから、私に頭を下げに来たの、義理がたいと言うか、不器用なのよね?


 私は二人を祝福したわ。ただ、サトウはバトラング王国で料理を教える立場にあったから、二つの国を往き来出来る鍵をタリヤンとサトウの両方に渡すことになったの。


 今は、タリヤンもバトラング王国に料理を教えに行ってるみたいね。


 そして、私とシュビナはレナクル王国へ続く扉の前に立っているわ。


 デンキチ達とリーヴル、クレレは留守番になるわ、まあ、狭間の世界で本を読んだり、遊んだりしてるから寧ろ、誘っても着いてこなかったかもしれないわね?」


 デンキチは狭間の世界で知識を自身で感じる事が楽しいみたいだし、デンキチの読んだ知識は私にも流れ込んでくるから、一石二鳥ね。


 クイーン達が養蜂場で作った蜂蜜を祝いの品として持参する私とシュビナ。


 デンキチ達と変わらず養蜂場はつづけているのよ? 異世界トンネルでアフロディアスの世界にも輸出してるから、少量にはなってるけど、最高の蜂蜜をシュビナと共に作っているの。


 凄く楽しいし、使い魔を使って養蜂場をしているのは本当に珍しいみたいで、未だに幻の蜂蜜なんて言われるわ。


 扉を抜け、レナクル王国へと向かう。サンデアとソルトの結婚を祝うためね。


 私の周りは今日も楽しいで溢れている……本当に素敵な世界だわ。


 それからの私の生活は幸せなものだけど、人に話すような内容でもないわね?


 もし、五次元世界に来る事があるなら是非、一度食べに来て、最高の蜂蜜を御馳走するわ。


 それじゃあ、私もそろそろ、いかないと、またね。


………

……



───『楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます』☆お・わ・り☆───



今まで『楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。』を読んで頂きありがとうございました。


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