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異世界から異世界です8

 私は休憩時間に前もってサンデアとシュビナにペンネと話をすることを告げておいたの。


 話し合いの時間になり、私を含む四人が港から少し離れた草むらに用意した小屋に集まる、室内に入るとテーブルと椅子が4つあり、各々で腰掛ける。


 本来は城の会議室などを使うべき何だろうけど、サンデアが話し合いが終わって直ぐに作業を手伝いたいと言うので、私は草むらに臨時の席を設ける事になったの。


 四人が集まり、席に着いたところでペンネに質問をする事にしたの。


「ペンネ、今回の積み荷について、説明をお願いするわ」


 そう言われ、胸ポケットから一枚の紙を取り出すペンネ。


「今回の大量の積み荷のリストじゃ、先ずは此れを見てもらいたい」


 ●衣服(男性用、女性用、子供用)×各一万着。


 ●食料

 小麦─5t

 米─2t

 チーズ4t

 干し肉4t

 野菜全6種×各2t総12t


 ●飲料水8t


 ●木材10t

 ●釘の束1000セット

 ●工具各種1000セット


「他にも、少なからず積み荷は有るが総計算で50t弱の積み荷になるかのぉ」とペンネは口にしたの。


 その言葉にサンデアが驚き声をあげる。


「なんて量なの50t……何処の国にそれほどの裕福な国があると言うのよ……」


 私も納得、確かにそんな大量の支援を出来る国は私の知る限り、地上には存在していないわ。


 私は依頼主の名前を確認する。


「って、依頼主の部分が空白じゃない!」


「う、うむ、今回は先に積み荷と依頼料を渡されてしまってな、名を尋ねたが最後まで教えてはくれなかったのじゃ、カミルの為にと言われて持ち込まれた話であり、荷にも問題が無いときた、突き返す訳にもいかぬじゃろ?」


 申し訳なさそうに下をむくペンネ。


「何か、他に、そう言えば話をしたのよね? 何か言ってなかったかしら?」


 取り敢えずヒントになる物が無いかを探す事にしたの。


 会話を思い出すように首をかしげるペンネ。


「そう言えわれても、じいさんと孫娘二人と言う感じの三人組で、最初に依頼料として大量の金塊を渡されて、話がまとまると突如、積み荷が姿を現したという感じなのじゃ、それに復興を手伝うと約束したと言ってたかのぅ?」


 ペンネの話だと、本当に突如、マドラッドの港に大量の積み荷が現れたみたいなの、まるで空間魔法(ストッカー)を使ったような話の内容に私はある確信を得たの。


「ペンネ、その三人組の孫娘って、一人は凄く派手な感じで、よく喋る感じじゃなかった? もう一人は髪と肌が二色とかで無口じゃなかったかしら?」


 そう尋ねるとペンネが驚きながらうなづく。


 依頼主の正体がわかったわ、バルキュリアとアフロディアス、あとマルサ=チヨル(マルル)ね。


「成る程ね、レナクル王国は神の助けを得たみたいね」


 それから、三人に依頼主の正体を教える事にしたの。


 女神と神の王が手を差し伸べてくれたのは本当に助かるわ、少し気になるのは何故、マドラッドに積み荷を任せたかよね? 直接、レナクル王国に送ってもよかった気がするけど?


 そんな疑問を感じながらいると、久々の念話が頭に入ってきたの。


『カミル、物資は届いたかね?』


『マルル、いきなり心臓に悪いじゃないのよ! 荷物はしっかりと届いたわよ』


『そいつはよかった。あれはアフロディアスとバルキュリアの行った世界の物でな、二人からレナクル王国の復興にとの事じゃ』


『なら、直接レナクル王国に送ればいいじゃないのよ?』


『それがな、異世界から異世界にトンネルを繋げる際に数日のズレが起きるらしくてな、【異世界トンネル】を使いバルキュリアとアフロディアスが荷を持って来た際にはまだ、レナクルで偽バルキュリアとお前さん達が戦ってる最中だったんじゃよ』


 未来から過去にって、異世界トンネル……凄いわね。


『それに、マドラッドを輸送に選んだのは大型輸送船があるからだけでなく、人材じゃ、お前さんの為にと皆が協力してくれておるからな、復興を手助けしてくれるだろうと、浅知恵をめぐらせた訳じゃ、頑張れカミル、応援しとるぞ』


 マルルはそう言うと念話を終わらせたの。


 浅知恵どころか、悪知恵ね、お陰で三か国での復興になったわ。


 私は凄く嬉しい気持ちになっていたわ、だって……私の大切な仲間達が力を合わせて人助けをしてるのよ。


 レナクル王国、バトラング王国、マドラッド島の三か国が1つになるなんて、誰も想像していなかった筈だわ。


 新たな未来はすぐそこまで来ている気がするわね。

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