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異世界から異世界です5

 シュビナはバルキュリアの真実を知ると質問を返してきたの。


「カミル、すまないな。まったくもって、困った先祖だ。真実を口にしなければ、いつまでも誤解が解けないだろうに」


「いいのよ、それよりも、みんなにバルキュリアのせいじゃないと説明しないとね。あと、水も食料も何とかしないと」


 私とシュビナがそんな話をしていると、慌てて此方に走って来るバトラング兵士達とその肩に乗るメルリに気づいたの。


「あら、珍しい組み合わせね?」


「まったくだ、兵士達もかなり慌ててるが何事だ?」


 私達が首を傾げるとメルリが兵士の肩から此方へと飛びおり、目の前まで駆けてくる。


「お嬢様、大変です! 港に続く道から黒い靄が大量に吹き出しているんです! 皆には近づかぬように言いましたが、原因がわからないと皆も不安のようで……」


 話を整理する、黒い靄が出ているのは港からレナクル王国に続く道にある古い(ほこら)だろうと思う。


 予想できる範囲で考えれば、偽バルキュリアか、それに関わりのある、ふざけた神だろう……どちらにしても、自身の目で直接、見ないとどう対処するかも決められないわね。


 私とシュビナがメルリ達と靄が発生している場所に辿り着くと、予想通り古い祠があった位置から靄が噴き出していたわ。


 靄は空を次第に黒く濁らせていく。


「はぁ、風魔法(エアエア)……ついでに、冷氷魔法と雷撃魔法も叩き込もうかしら?」


 すると靄の中から「ま、待て待てい!」と、若い男の声がしたの。


 優しい私は直ぐに返答したわ。


「だったら直ぐに姿を現しなさいよ? じゃないと本気で消し飛ばすわよ」


 その言葉に慌てたのか、靄から姿を荒らしたのは人間なら28歳くらいの男だったの。


 姿を現すなり、私達を(さげす)むような不快な目を向けてきたの。


「ふん、まったく野蛮な連中だ! よいか、よく聞くのだ、私は神である……がふぁッ!」


 喋り始めた自称、神をシュビナが問答無用で殴り飛ばしたの……流石に驚いたわ。


「悪いな、野蛮な連中の王をしていてな、その言葉は俺への宣戦布告に他ならない、悪いが先手を打たせてもらった!」


 不覚にも神すら恐れぬバイキングの王に私は少しときめいてしまったわ。


 殴られ吹き飛ばされた自称、神が起き上がりシュビナを睨みつける、それを合図に容赦ない一撃が炸裂していく。


 結果、シュビナに殴られた自称、神が謝罪をして、話し合いがスタートしたの。


 自称、神は本当に神らしく、他の祠にも同様に神が封印されているらしいの、更にこの封印された神達はバルキュリアの偽物を作った愚かな神だと判明したの。


 当然、レナクル復興と同時に祠の探索と神の捕縛を開始したわ。


 祠に関してはマップでも引っかからないようになっていたけど、レナクル王国の全体図に記された祠を全て回る事で効率よく神の捕縛に成功したの。


 この神達、半人前でしかも、普通の人間と変わらないくらいの体力しかないの、当然だけど、抵抗むなしく生捕りにさせてもらったわ。


 アララにマルルへと連絡してもらい、この【神もどき】達を引き取ってもらったわ。


 因みに五次元世界からは追放となり、二次元の世界を管理する神の手伝いとして降格される事になったの。


 神にも降格なんてあるのね? びっくりしたわ。


 マルルも、長年封印されていた神達を捕縛して突き出されるのは初めてだと笑っていたし、しかも「迷惑を掛けた」といって、復興の手伝いをしてくれたの、本当に万々歳ね。


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