異世界から異世界です1
視界に入ってきたバルキュリアの横顔、私の存在に気づき正面を振り向くバルキュリア。
私は更なる驚きを感じる事になる、バルキュリアの髪は真ん中から左右半分が金色、もう半分が紫色の二色に別れており、顔も片方は白く美しい肌であり片方は小麦色、眼も同様に片方は美しいエメラルドのような翠玉色の瞳でありながら、片方はブルートパーズを思わせるあわい蒼色をしていたわ、左右対称の姿にどう反応していいか、本当に困るわ。
左半分……金色のストレートヘアーに美しい白い肌、瞳はエメラルドの輝きを放つ。
右半分……薄紫色のストレートヘアーに健康的な小麦色の肌、瞳は清々しい程のブルートパーズの輝きを有しているわ。
どっちも凄く美人だわ……しかも、三姉妹全員、巨乳って……
自分の胸元を上から見下ろす……爪先までしっかりと見える……寧ろ、殆んどストレートに下が見える事実に涙が出そうだわ。
「あ、あの……えっと、カミルちゃんでいいのかな? 初めましてになるわね。私はバルキュリア」
にっこりと眩しい笑顔でそう言うとゆっくり私に近づいてくる。
敵意は感じないし、バルキュリアの影であった存在に顔は似ているわ。
「ストップ! あなたが本当の戦神バルキュリアなのよね!」
慌てて声を出すと、バルキュリアはその場で歩みを止める。
「はい、と、言っても天界を追放された神なので、戦神バルキュリアかと言われると少し返答に偽りがあるやも知れませんが」
好戦的な性格だと思っていたバルキュリアは、意外にもアララに似てゆったり、おっとりな性格だったの、よく言えばマイペースってやつね。
今の状況が理解できない私は幾つか目の前にいるバルキュリアに質問をする事にしたの。
「いきなりだけど、アララは、じゃなかった、アラナラムルが何処にいるのかを知りたいの」
予想外の質問だったのか、不思議そうな顔で私の言葉を聞くバルキュリア。
「いろいろと質問がある中で、最初に何故、アラナラムルの事を口にしたのかしら? よかったら教えてくれないかな?」
「アララが私自身、そして私達、みんなにとって大切な存在だからよ。アララが最後に私から嫌われると口にしたの……確り話し合わないと、知ってるなら教えてちょうだい」
バルキュリアは頭を少し抱えると、仕方ないと言う表情を浮かべる。
「予想外過ぎるよ、でも、アラナラムルは幸せなんだろうね。この先で待ってて、直ぐにアラナラムルを連れてきて貰うわ」
私はバルキュリアの言葉に従い、道なりに進んでいく。
すると突然、視界がボヤけだし、景色が変化する。
次に私の目に映った世界はまるで私のいた地球と同じような光景が広がった世界だったの。
まるで繁華街のような景色、そして、私の後ろから聞こえる“ありがとうございましたぁ!”と言う声、取り敢えず後ろを振り向くと、そこには間違えなく見たことのある建物があったの。
「な、何よこれ……※メクドナルド……?」
※……ハンバーガーショップ。
驚く私、そんな時、背後から肩を軽く叩かれる。
「店内で話しそうか、カミルちゃん」とアフロディアスが姿を現したの。
店内に入ると既に大量のハンバーガーとポテト、ナゲット、ドリンクが並ぶテーブルに腰掛けるアララの姿があったの。
「な、アララ、何してるのよ?」
「あ、カミル……その、取り敢えずナゲット……食べますか?」