姉妹は大変なんです6
アララは姉達である、バルキュリアとアフロディアスとの思い出を教えてくれたの。
長女である女神、アフロディアス。
次女である女神、バルキュリア。
三女の女神、アラナラムル。
長女は好奇心と魔力。
次女は攻撃性と力。
三女は優しさと癒し。
それぞれが1つの世界を作り出す程の知力と力を有した三人の女神、天界ではアララ達、三姉妹をよく思わぬ者が多かったとアララは悲しそうに告げたの。
余りある力は時として憎しみや逆恨みの対象になる……それは天界でも同じだったみたい。
才能への嫉妬は次第に本人達へと向けられる、三姉妹はそれほどに力を有していたの。
神々は元は地球を含め全ての次元を自在に往き来する力のある存在でなければならなかったの……でも多くの神々は三姉妹から力を失わせようと策を有したの。
最初にその対象に選ばれたのはアフロディアスだったそうよ……彼女は神々の御茶会に招かれ椅子のない席に案内される。
神々の戦は禁とされ、争いを始めれば理由に関係なく、手を出した神にはそれ相応の天罰が下される。
神々はどちらに転んでも自身達がアフロディアスを嘲笑えるようにわざと茶会へと招いたの……性格が悪すぎるわよね。
茶会にはマナーとして、主催者が終わりを告げるまでその場に居なければならないと言うルールが存在していたの。
その為、アフロディアスが我慢できずに手を出せば、天罰が下され、なにもせずに茶会に残れば皆の笑い者として扱われる……本当に最低なやり方だと思うわ。
「それで、アフロディアスはどうしたの? まさか、その神様達を……」
結末が気になり、我慢できずに尋ねるとアララは意外な言葉を口にしたの。
「はぁ、実はですね……相手の神々の方が頭を下げ、アフロディアス姉様に帰ってくれと懇願んです。御姉様は相手の神々が触れられたくない秘密を調べあげてから、堂々と茶会にいたんです」
な、被害者が加害者になってるじゃない!
アフロディアスは神々の行動を観察し、食事や言動を把握する、そして同時に秘密となる物を見つけていったのね。