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解放されし、レナクル王国です7

 私自身、初めて【カルム(王族)】の名を口にした瞬間であり、その直後、突如風が吹き矢無と次の瞬間、大きな歓声が海を振動させた。


「「「うおぉぉぉ」」」


「「「ミルシュ=カルム=カミル様バンザーイ」」」


「「「カルム=シュビナ様バンザーイ」」」


 バイキング達が剣を天に掲げ、全身を震わせる声をあげる、その姿にソルト、そして船の船員達は驚き、指先1つ動かせず、時間の流れが違うかのような不思議な空間に変わっていたわ。


 私を見つめるリーヴル。


「カミル、凄く格好いいの、流石リーヴルの作製者(ママ)、私も嬉しい……かな」


「リーヴル、凄いのは此処からよ。シュビナ、ソルト、行くわよ」


 バトラング大船団が新たなマストを掲げ、ソルトの海賊船を先頭に陣形が自然と出来上がっていく。


 レナクル王国の港に近づく私達……目の前に慌てて港から出港したであろう、海賊艦隊が陣形を整えるようにして、威嚇を開始したの。


 予想はしてたから、何の問題も無いは私は拡散魔法(フルボイス)を使い、海賊艦隊まで範囲を伸ばし、お腹に力を入れる。


「よく聞きなさい! レナクル王国、海軍 海賊艦隊提督ソルトとバトラング王国、国王カルム=シュビナは互いの話し合いにより平和的、解決を望んだわ! 双方の歩みを妨げる障害にならんとする者のみ、前に出なさい!」


 私の発言のあと、ソルトが質問を口にしたの。


「今の声を相手に伝える魔法を俺にも掛けてくれないか」


「これは他人に掛けられないタイプの魔法なのよ、でも私の肩に手を当てて、魔力の流れにソルトを被せれば、同じように声を拡散できるわよ」


 私の言葉にシュビナを見るソルト、それに対してシュビナがうなづくと、私の肩に手が添えられる。


「あぁ、よく聞いてくれ、いきなりの事に皆が動揺しているだろうと感じる、しかし……今を逃して、いつ平和的な解決に繋がるかを考えて欲しい、レナクルとバトラングは長きに渡る争いを終わらせねばならない……両国の争いを俺は望まぬ」


 その直後、シュビナがソルトと同様に私の肩に手を置いたの。


「すまないが、平和的な解決を望まぬなら構わない、どちらにしても海賊艦隊のソルトをそちらに引き渡す……その際は二度と平和的な解決に至らぬと考えて欲しい、ソルトは命を賭け、平和を口にした偉大な男だ、その男の意思を簡単に切り捨てる国ならば、平和など此方から願い下げだからな、いい忘れたが望まぬとわかった際には1度国に帰ると約束してやる、よく意味を考えて欲しい」


 一瞬で逃げ道を切り取るシュビナ。


 私もソルトも言葉を失ってしまったわ。


 約束通りソルトには1度、レナクルに向かってもらい、答えを決めた後に報告に再度、来てもらう事になったの。


 ソルトの船からシュビナと共に私達がバトラング大船団に移動する際……ソルトが口を開く。


「シュビナ、何故あんな事を口にしたんだ……あれじゃ」


「いいんだよ、最悪、レナクルとバトラングが協力者になれない場合、お前を失いたくないと考えた連中は俺に脅されたといい方に考えるだろう、居場所を失うな……友よ」


 その言葉にソルトは黙って下を向き、拳を強く握っていたわ。


 ソルトがレナクル王国側に戻り、私達は海上にて、二時間程の時を過ごすことになったわ。


 そして、私達の元にソルトの海賊船が1隻で戻ってきたの……運命の時が来たわ。

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