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光の矛先……永遠をなくす者です4

 魔力切れになり、魔力が完全に復活しないまま、補充の為に一度マドラッドへとビッグアザーを帰艦させる事に決まったの。


 普段が魔法に頼りきりだった事実に直面した私は自分が普通の人間としての生活をすることの大変さを改めて知ることになったわ。


 普段なら、顔を洗う水も必要なら魔法で作り出していたけど、今の私は全て自分でやるしかないわ。


 甘えた生活をしてきたと改めて感じるわね……バトラング王国に戻ったら、メルリに感謝の気持ちを伝えないとね。


 寝間着(パジャマ)から着替えると私はアララの元に向かう、目的は魔力の回復量を調べてもらう為ね。


 アララは直ぐに私の魔力量を計測してくれたわ。


「カミルの魔力回復の量は凄すぎますね、流石に驚きました……なんと言うか、流石……と言うか、常識ハズレな感じですが……」


 魔力の回復が順調である事実と魔力量の多さに再度、驚かれる私。


 そして、マドラッドに到着すると直ぐにペンネはバトラング王国へと向かう為の準備に取り掛かり、アララは、癒しの魔法をビッグアザーに掛けていったわ。


「今回は、なんの役にもたてないわね? 回復系の魔法は不得意なのよね……」


 簡単に言うなれば、回復魔法に関する書物を私はあまり読んでいなかったの。


 異世界ならば、攻撃魔法と言う、安易な固定概念が今の結果に繋がったわ。


「ハァ……せめて基本の回復魔法をもっと学んでおくべきだったわね」


 ……最強の回復師とかを目指すべきだったわね。


 そんな事を考えると、本当に欲張りだな、と改めて思うわ。


 いろんな思考が廻る最中、背後から数人の足音が近づき、私のいる休憩室にへと次第に近づいてきたの。


「カミル、すまぬ。ビッグアザーに一晩休息を貰えぬか? 他の船を、と考えたのだがな、ビッグアザーより早く移動出来る物も手段もないのじゃ」


 申し訳なさそうなペンネに私は軽く微笑むと大きく伸びをする。


「構わないわ、それより何か手伝える事とかないかしら?」


「いや、単純にビッグアザーが満腹で寝てしまってな、急いでおるのに、本当にすまぬ」


 ビッグアザー本体が寝てしまったと聞き、正直……驚いたけど、考えてみれば不眠不休で移動していたのだから、当然よね?


 ペンネに「一日をゆっくり過ごしてほしい」と言われた私はマドラッドの図書館と言うべき、マドラッドの城の図書室へと向かうことにしたの。


 目的は回復魔法を学ぶ為ね、実際に使わなくても、知識として覚えておく価値があるもの。


「ペンネ、少し読書がしたいから、マドラッド城の図書室に行きたいの。いいかしら?」


「構わぬが、魔力を使わぬとなると、少し港からじゃと、距離があるぞ?」


 心配そうに此方を見つめるペンネ。


「デンキチに来てもらうわ。最初の召喚獣だから、術式で召喚できるし」


 正直、最初の儀式で呼び出して以来、使ったことがなかったけど、普通の召喚士達は呼び出しの術式を書いた紙を普段持ち歩き、必要に応じて名前を書き足して召喚に使っているの。


 ペンネに図書室へと向かうことを告げた私はデンキチを呼び出すと肩に乗り、マドラッド城の図書室を目指したの。

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