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涙はいつか実るものです6

 アマト村の村祭りの前夜祭で再会したナッツとタウリ。


 私は何故、アマトの村祭りにこれ程の出店が出ているのかをタウリに尋ねることにしたの。


「タウリ、村祭りが盛大な理由が私ってどう言うことなの?」


 そう、確かにペンネと揉める前にタウリは──“ その理由を作った張本人”──と、口にしていたのよね。


「嗚呼、あれな? カミルが掘ったトンネルがあるだろ」


 ライパンとハニーフォレストを繋げたやつね?


「ええ、確かカルゴ山にそんなトンネルを掘ったわね、懐かしいわ」


 私のそれとない表情に頭を悩ませるタウリ。


 話が始まる寸前にアララが姿を消したわ、理由はあれね……肉の焼き上がる匂いにつられたのね。


 そこから話は一気に大きく膨れ上がっていったわ。


 トンネルを掘った後、多くの人がトンネルを使い往き来が頻繁になると水神とされている【ミミミ】のもとにも多くの人々が御供えものを置くようになり、安全祈願をするようになっていたそうなの。


 ミミミは礼儀を重んじるタイプだから、姿を現して旅人や商人に御礼を口にしたそうなの。


『皆さん、あの……ありがとうございます。こんなに人が沢山来てくれて、本当にありがとうございます』といった具合らしいわ。


 それから少しして『カミルさんに御礼をいいたいなぁ』と度々口にするミミミの存在を知った旅人や商人達が私の存在を調べだしたらしいの。


 まぁ、ライパンで売ってる蜂蜜の瓶に名前は書いてあるけど、普通は気づかないわよね?


 商人は商人の繋がりから、ラッペンお爺ちゃんに辿り着き、私が義理の孫である事実を知り、旅人はザカメレア王国で私の存在を耳にしたそうよ。


 結果として私の名前は商人と旅人によって盛大に宣伝されたみたいなのよね?


 その流れで私の出生地であるアマト村の存在が明らかになったって訳ね。


 知らなかったけど、今のアマト村には別名が付いてるらしいわ。


 【水神に愛されし者の村アマト】なんとも、立派な名前よね。


 タウリの言っていた“ その理由を作った張本人”と言う意味がやっとわかったわ。


 話が終わる頃、アララが片手に肉串を持ちながら、もう片方に紙袋いっぱいの串に刺さったお肉を手に帰ってきたわ。


「カミル、皆さん。美味しいですよ、一緒に食べましょう」


 話が終わり、少し小腹が空いてきた頃の肉の香りにお腹が軽くなる。


「アララ、私にも一本ちゅうだい。お腹すいたわ」


 今は全力でお肉が食べたい気分だわ。帰りにミミミの所にも寄るとして、出店を楽しみましょうっと。

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