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新たなる出逢い、カミルの里帰りです6

 【ベジルフレア王国】と【ザカメレア王国】の両国の不作を巻き起こしたのが私だと語るペンネ。


 数ヵ月もの間、バトラング王国に滞在していた私にそんな事が出来る訳ないと考えていたわ。


 ペンネは軽い口調で私に教えてくれたの。


「カミルが次々に台風を消滅させた事が不作の原因になっておるのじゃが? 気づいていなかったのか?」


 呆れた表情で私に視線を向けるペンネ。


 当然ながら、頷くことしか出来ない私。


 風の王こと……台風……確かにバトラング王国で次々に潰した気がする……


「カミルよ、バトラング王国の台風は海を移動して風が雨雲を運ぶのじゃ、その雨雲がこの大陸に雨を降らせる事となるのじゃ」


 私が不作の原因だなんて……罪悪感しかないわ……


「そう悩むでない、カミルの為に既に新たな策を実行しておる。安心するがよいぞ!」


 そう語るペンネ。


「策って何をしたのよ?」


「簡単じゃ、ザカメレア王国に宛てた手紙に“ベジルフレア王国とザカメレア王国がマドラッドとの貿易を開始したあかつきには麦を3隻互いに渡す”と書き込んだのじゃ。巨大な船3隻分の麦となれば当面の食糧問題はなくなるからのぉ」


 マドラッドの貿易用輸送船はタンカー程のサイズがあり、 全幅32メートル、全長291メートルにもなるの。


 マドラッド最大の貨物船とも言えるわね、そんな巨大な船に麦を1隻あたり15トンを積み、1国……約45トンもの麦を両国が貿易を結んだ際に渡すと書いたそうなの。


「やることが大胆ね……流石に想像できないわ……」


 私の驚きを前に鼻高々なペンネ。


「妾は後の利益に投資をしたまで、今の両国に与える100トンにも満たぬ麦は後に数千の取引を可能にするからのぉ。出し惜しみするは後の不利益になると考えておるまでじゃ」


 そんな時、城の窓が軽く“コン、コン”と叩かれる。


「む、きたか!」とペンネが口にするとヒルバーが窓を開ける。


 外には小さなドラゴンに跨がったピクシーの姿があったわ。


『ペンネル様。船は無事にマドラッドを出航しました。7の夜が明けたら到着します。報告は以上です』


『うむ。船の警護を怠るでないぞ。此度の荷はマドラッドの未来を大きく輝かせる事になるからのぉ』


『はい! 確りとガレオン=レオーネ様に御伝えします。失礼致します』


 ピクシーはペンネに挨拶を済ませると電光石火の勢いで大空をマドラッドの方角に飛んでいったの。


 私はあっという間の出来事に驚きを隠せずにいたわ。


 本当にやることが早いわね……


 すべてはペンネの考えるままに進んでるように見えるわね。

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