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新たなる出逢い、カミルの里帰りです4

 緊張感漂う中、ペンネの質問に対して我慢出来なかった家臣の一人が怒りの声を上げたの。


「王の御前でッ! 何を口走るか!」


 嗚呼、言っちゃったわね……穏便に終わらない感じね。


 ペンネは即座に口を開いたわ。


「それが(うぬ)らの解答で良いのだな。一度(ひとたび)口にした言葉は戻る事なき真実となる。妾が質問への解答、感謝するぞ……愚かなる人間よ」


 ペンネは喋り終えると同時に軽く頷いて見せたの、それを合図にガレオンとヒルバーが能力を解除したの。


 大臣を初めとするベジルフレア王国の重要人物達の背後からガレオン達が姿を現すとさっきまでの威勢は消え去り、緊迫した空気に変わったわ。


「ペンネル様。どう致しますか?」とガレオンが人の言葉でペンネに質問をしたの。


 マドラッドでペンネが人の言葉を皆に教えていたのは知ってたけど、目の前で片言でない言葉をあっさり使われると学習能力の高さに驚かされるわね?


 ただ、此れは良くないわ、人間側……つまりベジルフレア王国側は魔族の言葉が理解できない……


 ペンネとガレオンは必要な内容は魔族の言葉で語り、伝えたい事だけを人の言葉で話しているわ、つまりベジルフレア王国側には真意が伝わらない……


 此の場で更にバカな行動を取らないことが一番の解決の近道になるけど、王様からすれば面子を全て捨てることになるわ、判断1つで国が揺らぐわね。


 でも、ベジルフレア王はそんな中、ゆっくりと王座から立ち上がったの、王はその足でペンネと私の前までやって来ると軽く頭を下げたの。


 家臣達の前で王が立ったまま頭を下げたの、かなり衝撃的な光景だった筈よね。


「ワシが直ぐに立てぬ故に、我が国の民が失礼を口にした。心より御詫び致します。ヘルム=ペンネル女王、そしてミルシュ=カミル殿」


 私もペンネも王の言葉に会釈をする。


「改めて、ベジルフレア王よ。質問させていただく。立場をハッキリさせたいからのぉ?」


 悪戯に笑みを浮かべたペンネに対してベジルフレア王は返答しようとしたの、でも、ペンネはそのまま喋り続けたの。


「妾達は対等な立場であると考えておる、どちらかが上の立場では五国同盟の意味がないからのぉ」


 予想外のペンネからの言葉にベジルフレア王は感謝を表情に出し、確りと声を口に出したの。


「同じ考えに他なりませぬ。我等は同盟を結び、立場を越えた存在に他なりませぬ。広き心を御持ちであるようで感服致しました」


「何を申すのじゃ、以前の妾の醜態(しゅうたい)を水に流したベジルフレア王の器にはまだまだ及ばぬのじゃ」


 互いに目をみてそう語るとペンネはガレオン達を下がらせたの、本当にドキドキしたわ。


 そんな私のマップにはクラウン=バイルの名が点滅してたの。

 どうやら、本当に危険な時の為に待機してたみたいね?


 前なら間違いなく突っ込んで来たでしょうにバイルさんも変わったわね?


 一触即発の状況が終わりを告げると私達は食事をベジルフレア王と共にする事になったの、その際にラッペンお爺ちゃんが同席する事になっている事実を聞いた私はカッシュを厨房に呼んで貰うようにお願いしたの。


 カッシュなら、私の考えを理解してくれる筈よ、新たなビジネスチャンス到来ね。

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