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新たなる出逢い、カミルの里帰りです1

 バトラング王国を出て半日、私は今マドラッドの支配する島の1つにいるわ。


 ペンネが私に見せたい物があると言い、休憩を目的に立ち寄る事になったの。


 島には独特な甘く清々しい香りが広がっていて、上空から見た際にも島の至る所に花畑と果樹園のような物が確認できていたわ。


 実際に島に立つと思ってた以上にいい香り花を(くすぐ)るわね。


 まるでフルーツタルト、そう果物の香りを風が絶妙に混ぜ合わせたような香り、フルーツタルトの島に居るみたいに感じる気持ちが止まらない。


「これ……フルーツ、タルトね」


 私の口の中は食欲に支配されそうになっいたわ。


「何じゃ、この名もなき島に名前を付けたのか、相変わらずの早業じゃなぁ、だが、今から【フルーツ・タ・ル(とう)】とする事とする、皆に伝えよ! 名もなき島の名に大魔王ミルシュ=カミルが【フルーツ・タ・ル島】名をつけた!」


 私の発言から1つの島の名前が甘いスイーツに! 凄い罪悪感だわ……


「何を浮かない顔をしておる? そんな表情はよくないのぉ」


 ペンネは徐に小さな色のついた小瓶を手渡してきたの。


「何これ?」


「この棒を中に入れて味見してみるがよい。主が驚く程の代物じゃ」


 手渡された割り箸くらいの長さの棒を使い小瓶の中身を確かめるように動かすと微かに棒に重みが加わっていくのが分かる。


「頃合いじゃな、カミルよ引き抜いてみい、そして驚くがよいのじゃ!」


 瓶から引っ張り出された棒に糸状の液体が引っ付き私の目の前に綺麗な線が出来上がったの。


「実に見事な橋が出来たのぉ? さあ、味見をしてみるがよいぞ!」


 私は言われるがままに味見をしてみたの、驚いたわ、だって味見をした瞬間に私の中で【水飴】だわ……って答えが出てきたの。


 勿論、本当の水飴じゃないわ、ただ、水飴どころか、スイーツにも負けない最高の蜂蜜だったの。


「ペンネ、最高に美味しいじゃないの! こんなにフルーティーな蜂蜜があるなんて、驚いたわ……」


「そうじゃろ、そうじゃろ! 妾がカミルの為にと用意したマドラッドで最高の蜂蜜じゃからな。いつでも出荷できるようにしてあるのしゃ! カハハハ!」


 ペンネが教えてくれた真相は、マドラッドに住むことになったクイーンの子供が別の種族の蜂型の魔物【フルーツビー】と一緒になり、子供を産んでいたの。


 名前の通り、果実の蜜を集める習性があり、本来は長持ちしない蜜を作る蜂型の魔物なの。

 それに対して、長期的に新鮮な蜂蜜を作るのがハニービーね。


 そんな2種族の特徴を持ち合わせた亜種が【フルーツハニー】ね。

 果実の蜜を酸化させないように花の蜜を上手く合わせる事が可能みたいなの。


 【フルーツビー】の蜜は凄く甘くてサラサラした印象ね、そのまま食べるには少したべづらいわ。

 でも、クラッカーとか味の素朴な物には向いてるかも? 他にもジュースなんかに出来そうね。


 【ハニービー】の蜜は万能型ね。パンや紅茶にも向いていて使いやすいわ、甘さも控えめだから後味も最高よ。

 料理にも使えるし、コクを出したりする隠し味に向いてるわ。


 【フルーツハニー】の蜜は長期型で甘さ強めね、粘りもあるから、スイーツ向けね? 寧ろ色んな使い方ができるし、新たなジャンルとして活躍しそうね。


 私は3タイプの蜂蜜を扱うことが出来るようになった事を嬉しく思うわ。


 ペンネが自信満々に私に見せたのも頷けるわね。


 本題は【アフロディアスの花】だけど、その為には最高の御土産を持参しないとね。


 ベジルフレアについたら、久々にカッシュの力を借りないといけないわね。

 まあ、カッシュに拒否権は無いわ!

私のレシピを渡す代わりに最高の試作品を頂く事にするとして、まだまだ問題だらけね。


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