アフロディアスの花言葉です７
私は朝から冷たい水で顔を洗い、気を引きしめる。
ハニーフォレスト学校の皆に３週間程の間であるがフォレストタウンから離れる事実を伝えないといけないの。
その間、洋館とハニーフォレストの森も空間魔法に入れて移動するから、ロクさん達を含むスケルトン軍団の皆もフォレストタウンから居なくなるわ、畑の管理は問題ないと確信してるけど、イレギュラー等があった時が心配だわね？
自室でそんな事を考えていると、扉が軽くノックされ、返答する間もなく扉が開かれる。
「すまない、カミル入るぞ……何を心配そうな顔をしているんだ？ 心配や不安は大人より子供達の方が早く気づくもんだぞ？」と声を掛けてきたのは、シュビナだったわ。
「御早うシュビナ。いきなり、レディーの部屋に入るのはどうかと思うけど、確かにそうね、子供達の方が感は鋭いかも知れないわね」
「カミルと見た目はそんなに変わらないがな？ まあ、背丈はバイキングだけあって、カミルよりデカイがな」
「…………そうね」
朝から軽く冷凍魔法を使いシュビナの頭を冷やしてあげてから私は朝食を済ませると一足先にハニーフォレスト学校へと向かう。
ここ数日の多忙から、学校の方はサトウとメルリ、アララとビルクに任せきりだったこともあり、少し気が引けるわね。
そんな事を考えながらも私は集まって貰った子供達になるべく分かりやすく話をすることにしたの。
話始めれば、子供達はしっかりと理解してくれたわ。
不安そうに「絶対に帰ってきてくれますか？」と子供達に聞かれた瞬間、私までなんだか、寂しくなってきちゃったわ。
「大丈夫よ。直ぐに帰ってくるわ。皆に珍しいお土産を探してきてあげるからね」
最後は笑顔で話が終わりを迎えようとした時、子供達の表情が一瞬で強ばったの。
私の横に並ぶように姿を現したのはシュビナだったわ。
バトラング王国の国王にして、大陸全土に暴君の名を知らしめたシュビナを知らない者など誰もいないわ、況してや前日に私と共にフォレストタウンに来ている事実は領民全員に知られている筈だもの……子供達が固まってる……
シュビナったら、何しにきたのよ！
私の言いたいことを見透かすように微笑むとシュビナは徐に子供達に向けて語り始めたの。
「この場にいる皆は俺を知っているようだが、生憎、俺は君達の名前すら知らない。そして、その理由が俺の配下による事実を知らずにいた。皆にカミルがしたことを聞き、自身が愚王であったと知った。本当に君達の大切な名を失わせてしまってすまなかった」
目の前で起きた衝撃的な行動に子供達の困り果てた表情、戸惑いを隠せないのがよく分かるわ。
「いきなりですまない、だが、一言言わせて欲しかったんだ。俺は君達を大切にしたい。俺は君達の事を知りたいんだ。カミルの居ない間だけだが、俺も君達に何かを教えられればと考えている」
は？ ハァァァァ！ 何それ？ 私はなんにも聞いてないわよ！
辺りを見渡すと明らかに視線を逸らすサトウの姿があったわ。犯人はアイツか……
シュビナはそれから子供達と直接触れ合う事にしたみたいで、その日から、新たにバトラング王国の歴史の授業が追加されたの。
驚いたはシュビナったら、教えるのが本当に上手いの。
子供達との初めての授業内容は【バトラング王国とは何か】って題材みたいね、少し見ていくことにしたわ。
