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アフロディアスの花言葉です6

 食事が終わり、洋館の大浴場に移動する。

 サトウが洋館に来てから、大規模なリホームをしたのよ、男湯と女湯を区切り、どちらも気分よく入浴出来るようにしてあるの。


 女湯には私の他にペンネ、アララ、クレレ、メルリが一緒に入浴を強行してきたの。


 まあ、クレレは何時も私と入りたがるから仕方無いわ、あとのメンバーはあれね、ペンネとメルリは私目的で、アララは其れを見に来た感じね?


「ペンネ、あまり無理しますとのぼせますわよ……」


「なぁに、妾は魔王じゃからなぁ。此のくらいの温度、温いくらいじゃ……」


 お風呂で我慢大会を始める二人に私は少し頭を悩ませたわ。


 そんな中、クレレが私の元に走ってきたの。


「カミル、クレレの頭を洗うでし! そしたら、カミルの背中を洗ってあげるでしよ」


 いつもの交換条件ね、クレレは耳を塞がないと髪を洗えないから、普段から私が洗っているの。


「そうね、私達は何時も通りにお風呂を楽しみましょう」


「でし」と頷くクレレに私はほっこりとしていたわ。


 アララはペンネとメルリから少し離れた場所で御盆に“ちょい飲みセット”(熱燗・大根おろし・漬物)を浮かべ一人楽しんでるみたいね、女神やめてから、本当に自由にやってるわね。


 クレレの頭を洗い終わると私の背中をゴシゴシと洗うクレレ、まるで妹が出来たみたいな感覚になるわ。


「ありがとう、クレレ」


「でし? カミルはクレレに逢えて幸せでしか?」


「ええ、幸せよ」


 私の言葉に嬉しそうに笑みを浮かべるクレレ。


「クレレもでしよ。カミルを突き落として正解だったでし」


 忘れてたわ……私ったら、クレレに突き落とされてララリルルに来たんだった。


「あはは……そうだったわね、まあ、運命だったのよね」


 体を洗い終わるとクレレはしっかりと助走をつけて湯槽に目掛けて走っていく。


「行くでしよ!」


 止める間もなく、飛び込んだクレレ、当然大きな飛沫が上がり、アララの“ちょい飲みセット”が“豪華客船タ●タニック”の如く、ひっくり返り沈没する。

 それと同時に頭から湯を被ったペンネとメルリが怒りに震えているのがよくわかったわ。


「「「クレレッ!」」」


「でしーーー!」


 三人にお仕置きされるクレレを見ながら私は笑っていたわ。


 それにしても女湯と比べて男湯は静かね? シュビナとサトウが入ってる筈なんだけど?


……………

…………

……


ーー男湯ーー


「女湯は賑やかですね。シュビナさん」


「本当にな、男湯が隣なのに本当に遠慮がないな、驚きで言葉が出ない。それより、サトウと言ったな? バトラング王国の厨房に来る気はないか?」


「お言葉は嬉しいですが、その気はありませんね、カミルちゃんの部下なもんで、今のポジションに満足してますから」


「サトウ、お前もカミルに惚れてるのか?」


「それはないですよ、寧ろ……惚れてる人がカミルちゃんに惚れてるんで、たまに妬いてしまうくらいですから」


「ほう? サトウは男が好きなのか?」


「違いますよ、相手は女性です!」


「なら、安心したぞ。ライバルならば、強敵になると考えていたからな」


「シュビナさん、言っときますが一番の強敵は間違いなく近くにいますよ。さて、先に上がります。頑張ってくださいね、そうじゃないと此方の恋も実らないんで」


…………

………

……


ーー女湯ーー


 賑やかに楽しいお風呂が終わり、脱衣所で団扇を片手に涼む事にしたわ。


 風魔法で髪を乾かした後に団扇を使うのも悪くないわね。


 皆で脱衣所を後にすると廊下で両腕を組み待っていたのは浴衣姿のシュビナだったの。


「な、何故? 浴衣、それにそれって」


 照れ臭そうにシュビナがサトウを見る。


「せっかくだから、浴衣を出したんだ。シュビナさんは身長もあるから似合うと思ってね。カミルちゃんが作った試作品だけど、最高に格好いいだろ」


 不覚にもドキッとしてしまった……


 私達はそれから、夏休みの学生のようなノリで騒ぎ疲れてから眠りについたの。


 なんだか、本当に修学旅行みたいな感じで凄く楽しかったわ。


 ただ、明日は学校の皆に数週間だけど、ベジルフレアに戻ることを伝えないといけないわね。


 毎日が多忙なのは良いことなんだけど、少しはゆっくりしないとよね。


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