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強者と狂者です5

 森から出て直ぐの御昼を平らげた私は改めて、じい様とラッペンお爺ちゃんに状況の説明をしたわ。


 村が襲われたと最後の村で聞き、次の朝、つまりは今日ね。森に向かったこと、そして“銀色の猛虎(シェシェ)”と対峙した事までを簡単に説明したの。


 そしたらじい様が一言。


「のぉ、お前はそんな単純な話に引っ掛かったのか? 街に居た連中は他の村から来たんじゃったな? その前の街に移動した本来の住民はそんな話をしていなかったのじゃろ?」


 ……言われてみればそうだわ! 幾らなんでも、村が襲われたのに本人達は何も言わないなんてあり得ないわ。


「メルリ! サトウ! 片付けは後よ! 今すぐ朝いた街に戻るわ……兵士は朝から帰還してるし、今いるのは私に魔獣の話をした連中よ。何かあるわ」


「なら直ぐに向かおうか、カミルちゃん」


「お嬢様。直ぐにガルーダを呼びますね」


 私達は、じい様とラッペンお爺ちゃんも加わえて、最後の街【ナルベダ】へと向かう。

 ビルクに皆を小さくして貰い、ガルーダに加速魔法と防御魔法を掛ける。

 その際、小さくなったメルリ、サトウ、じい様、ラッペンお爺ちゃんには空気の玉に入ってもらったわ。


 加速魔法をしようしたガルーダの速度に小さくなった皆は耐えられないもの。


 ガルーダはジェット機並の速度で飛行する、防御魔法を自分自身にも掛けてるけど、かなり辛いわ。


 街までは一瞬のように感じたわ。


 そして、街の上空から降り立ったの。


 “ドゴンッ!”と鈍い地面が窪む音が街に広がる。


 私は開かれたままの無数の扉を目にしたわ。しかも、広場には複数の馬車、その荷台には食糧や金品、家具に至る多くの家財道具も無造作に積まれていたの。


 着地の音を聞き、慌てて姿を現す男達、バイキングの盗賊と言ったところかしら? 武器を手に私を睨み付けると数人で私の周りを囲み始めたの。


 その間に馬車を走らせようとする他の盗賊達の姿に気づいたわ。


「魔神、儂を今すぐに元の大きさに戻せ、コイツらで憂さ晴らしをしたいからな!」頼もしすぎるその声は、じい様だったわ。


「やれやれ、孫と楽しく会話といきたかったが、邪魔者が居るならしかたないか? 怪我の覚悟してもらわねばな」


 じい様とラッペンお爺ちゃんが戦闘に加わるとメルリとサトウも体のサイズを元に戻したわ。

 デンキチには悪いけど、街中の戦闘だから我慢して小さいままでいて貰ったわ。 


「アンタ達、よくも騙してくれたわねッ!」


 私の声に嘘を教えたバイキングの男と女が反応する。最初のお仕置き相手が決まったわ。

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