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強者と狂者です3

 私の予感を現実にするように、姿を現したのは、ディマを含む4体の魔獣だったわ。


 ただ、4体のボスクラスの魔獣を前にしても動じないじい様、本当に老人なのかと目を疑いたくなるわね。


 1体はディマ、サーベルタイガーのような姿をした巨大な魔獣ね。


 他の3体……


 1体は大猿ね、見た目はマントヒヒのような姿なんだけど、真っ赤な毛並みは凄くインパクトがあるわ。


 2体目は、熊の魔獣だったわ、見た目から威圧感の塊みたいな印象で茶色い毛は針のように鋭く見えるわね。


 3体目が水色の大蛇で、体長だけ見れば、一番の巨体ね尻尾が見えないもの、全身が以前【マドラッド】で見たダイヤモンドフィッシュの鱗と同様かそれ以上に強固な物に見えるわ。


 私が他の3体を見つめていると、此方の方を向いたディマが溜め息混じりに呟くように口を開いたの。


『ハア、本当に呆れた……まさか、【シェシェ】を倒すなんて……しかも、森長の誰にも気づかれないように増援まで呼び込むとわな、バイキングより、ずっとお前達の方が厄介じゃないか?』


 否定できないわね、寧ろあれよ。私も同感よ! 本来なら“お爺ちゃん”と“じい様”は、一人で国を潰せるとか言われてるのよ、なのに何で魔獣の森に二人がいるのよ!


 胃が痛いったら、ありゃしないわ。


 しかも、じい様……かなり怒ってるし、本当の意味で雷落としてるし、勘弁してよ。


『シェシェ? それより、ディマ。御願いだから……他の森長にじい様達を刺激しないように伝えて! 特に猛虎を倒した方は本当にマズいのよ!』


 ディマは軽く頷くと他の3体と同じ方向に視線を向けたの。


 私は視線の先に寒気に似た恐怖を感じたわ、簡単に言うなら……以前、クレレに突き落とされた瞬間に感じた死を予感させるような感覚だわ、じい様達もそれを感じ取って視線を向けてる。


 今よりカオスな状況は想像したくないんだけどな、本当に魔獣の森に来たことを後悔してるわ。


〔我が子が失礼を働いたようですね。森の掟は強者が弱者を護り、弱者はその見返りに命を捧げ、遺された者が命を紡ぐ事にあります。ですが、シェシェは狂気に走り愚かな道を歩んでしまったのですね……〕


 まるで直接、頭に語りかけるように響く声、私だけでなく、その場に居た全ての者にその声は聞こえていたの。


 ゆっくりと此方に歩みを進める存在は森の中心から動かなかったボスクラスだとマップを見て理解できた。


 問題は単なるボスクラスじゃないって事よ、じい様が本気モードになったら、バトラング王国にも被害が出ちゃうかも知れないわ……何とかしないと。


〔私はディーラ。この大陸の守護をするように命じられし者です。私は話し合いを望みます〕


 姿を現したディーラに4体のボスクラスの魔獣が頭をたれたの、魔獣の森の本当の支配者は間違いなくヤバイ存在だわ。


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