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大使以上のお仕事です2

 シュビナの頼みを聞き入れた私もシュビナに対してある提案を口にしていたの。


「シュビナ、近隣の村や町から先にバトラング王国に来てもらって、あと、10日間はそのまま、バトラング王国内で過ごして貰って、その間に遠い町や村の住民を近い村にどんどん向かわせて。村や町には治安の為の信頼できる兵を配備して頂戴ね!」


 私はバイキングが体力が凄いことは理解している、それでも単純に考えて、馬車とは言え、子供やお年寄りを大移動させる事をよく思わなかったの。


 シュビナは私の提案に二つ返事で了承してくれたわ。

 直ぐに各村や町にシュビナの信頼する部下達が送られる事になり、全ての兵が到着した時点で計画を実行されたの。


 まさに嵐のような忙しさだったわ、7日と言ったけど、10日に設定してくれて助かったわ……


 計画を開始してから3日目、早くも二つの町に集まったバイキングの記憶を済ませた私、でも周りを見れば、バイキング! バイキング! バイキング! もう何人のバイキングの名前を覚えたかわからないわ……しかも、税が無くなると分かってるから、礼儀正しく一列に並んでるのよ……流石に疲れてきたわ、ハァ……頑張らないと。


 そんな私は背後から肩を優しく叩かれたの。


「お嬢様、皆様に御茶の用意が整いました。今バトラングのメイドと共にサトウとゴーレム達が運んで参ります。一休みしてください」


 まさに助け船、私はその場で「一時間の休憩!」と声をあげたわ、本当に出来たメイドね、メルリの機転でいっぱいいっぱいだった私の心に“ふっ”と余裕が生まれたわ。


 心配していた順番に対する問題も、以前のパンの祭りに使った整理券を使う事で何一つ問題なく回避されたわ。


 メルリとサトウが側に居てくれなかったら、本当に空気の抜けたシュークリームの皮みたいに潰れてたわね?


 マジにありがとう! と駆け出して全力で抱き締めてあげたいわ。今は御茶と御菓子を配るのに戦争みたいだから、やらないけど……


「さあ! 皆さんに御茶と御菓子を! そこ整理券を忘れないで! 二枚渡したらダメなの! 一人一枚よ、一枚!」


 バタバタ、バタバタ。


 メルリの指示は本当に的確で素晴らしいわ、効率よく、更にお年寄りと子供の位置を把握して、御茶の温度まで指示してるんだから、本当に驚くわ。


 一人で出来るなんて傲慢だったと改めて感じるわ、信頼できる二人の存在は本当に心強いものね。


 それとアララを全体のまとめ役として、各町の外を護るデンキチやスカー達の存在も私が気兼ねなく計画を実行できてる理由の1つよ、移動の際の馬車の護衛はメガとボア軍団がしてくれているし、魔獣の森の周囲は樹精霊(ドリアード)のジュレとトレントウッドのボスとその子分トレント達が見張ってくれてる。


 ハニーフォレストもロクさんとスケルトン軍団に加えて、モームが護ってるから安心ね。


 私はメルリから貰った御茶を飲み終えると自分に気合いをいれる。


 その日、夜まで作業が続いたわ、でも、何とか記憶は成功よ。今の私ってば、パソコンよりも容量が多いんじゃないかと思ってしまったわ。


 夜のうちに、メルリ達と次の村に向かい、到着してから朝まで仮眠、低血圧パレードの私は明日もハードね……トホホ。

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