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フォレストタウンです1

 全てが順調に動き始めれば自然と笑顔が増え出していく。


 学校の食堂を手伝う女性のバイキングも何人か雇う事で給食の安定供給が出来るようになり、サトウの負担が軽減されたわ。


 農業に関しては農具を全ての村に配備し、使い方を覚えてもらい、農業を基本にするバイキング達に手付かずの土地を耕して貰うことで1から畑を作ってもらっているわ。


 それと、ハニーフォレスト以外の養蜂場を始める事になり、数人のバイキングが興味を持ち、見学に来ている事実も嬉しいわね。


「あんた達、本当に蜂蜜が好きなのね?」


 養蜂場を造ると決めてから毎日手伝いに来ているバイキング三兄弟と他数名のバイキング達。


「そりゃあ、蜂蜜なんて美味いものを作れるなら、俺達は必死に働きますよ」


 一郎がそう口にすると他の全員が頷き、私は威圧感の塊のような面々が蜂蜜に目を輝かせる姿に笑いを堪えていたわ。


 凄く嬉しいもの、でも大の大人のバイキング達が蜂蜜に目を輝かせる姿はまるでアイスを食べる前の子供みたいに見えるわね、つい、“おあずけ”と言いたくなってしまうわ。 


 そんな事を考えながら、蜂蜜が作られる流れを説明し、花の蜜が必要だと言う事実を伝えたり、ハニービーとクイーンの存在がなければ、私の蜂蜜はできない事実をしっかりと伝えたの。


「なんか、蜂蜜も凄く大変なんですね、カミルさん?」


 バイキング達が頷くと、私も自信満々に頷いたわ。


「そうよ。蜂蜜だけじゃないわ、全ての食材は誰かが必死に育てた物だったり、大切に成長させた物なの、簡単に残す人もたまにいるけど、本来は全てに感謝しないといけないのよ」


 それから、村と村の距離感をなくす為にボア軍団とスケルトン軍団による定期便を走らせる事になったの。


 勿論だけど、無料よ。荷物などを積めるように大型の馬車にボアを2頭とスケルトンの運転手を交代ように2人乗せたわ。


 朝から夜までの定期便に加えて、各村に緊急用のスケルトンとボア達を待機させたの、何かあれば直ぐに移動できるもの。


 学校、仕事、食糧、移動手段、安定と安全、労働に対する賃金と税の免除、まるで教科書をそのまま現実にしたような状況と言えるわね。


 少しかじった程度の経済学なんて、役にたたないと思ってたけど、人生って何が役にたつのか分からないわね。


 ・・・それから更に一ヶ月が過ぎようとしていた、領地を囲むようにしっかりとした壁を作り、入り口には巨大な門を取り付けることに成功していたわ。


 村長達と話し合い、3つの村を統合した新たな町とする事が決まり領地内は皆が活気に溢れていたわ。


 そんなある日、救いを求める客人と、それを追う招かれざる客人がやって来たの。


「カミル様ッ! 門の前に他の村の奴が倒れてると報告が」


 慌てて、二郎が私の元に連絡をくれたの、現状を把握する為、直ぐに門まで移動すると頭の中に久々の警告音が鳴り響いたの、初めはその行き倒れが敵なのかと思ったけど、違ったの……私の領地の前方に真っ赤な反応があり、バイキングで無いことは直ぐに理解できたわ。


 門に辿り着くと直ぐ行き倒れを門の内側には引っ張り込み、戦えない女性と子供のバイキングに家に急ぐように指示を出したわ。


「アンタ達も今回は帰りなさい。敵の数が多いわ、それに最悪なのが私がまだ会ったことないみたいで、強さなんかがわからないのよね」


 苦笑を浮かべると門番をしていたバイキング達が武器を手に豪快に笑ってくれたの。


「がははは。数と質で考えるならば、カミル様に敵うものは数少なき事は紛れもない事実、ならば何を臆しましょう! カミル様を守れば負けることは無いのですから。最後までお供致しますぞ」


 私の背後に構えるバイキングの軍団、招かれざる客人をもてなす用意が一気に整うと門を見つめる。


「どうせなら、派手にやりましょう。私の領地に無断で入るとどうなるか」


 私は門を軽く開放するように指示を出すと門の前でマップに映る敵陣を迎え撃つ事にきめたの。 

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