ハニーフォレスト学校開校です2
聞きなれない“給食”と言う言葉に首を傾げながらも期待するような眼差しを向ける子供達の姿。
私が待っていたのはこれよ!
「本日は親子で食べて貰うために大量の給食を用意しました。メニューは日替わりで学校のある日に此方で用意させて貰います」
早々に話を切り上げる中、調理場に私の発言を聞いたスケルトンが駆け出しサトウも直ぐに調理場へ走っていってくれたわ。
給食事態は温めれば完成になるようにしてたけど、デザートがまだ出来てなかったから、慌てて作ってくれてるみたいね?
デザートように巨大な氷の冷蔵庫を作ってあるから大丈夫だと思うけど、まあ、サトウに任せるしかないわね。
子供達と親達を食堂に案内すると中には小さなテーブルと椅子が並べられているのに一同が驚き、顔を見合わせていたわ、子供バイキングでも小さいサイズだもの当然ね。
「此処で学校が始まったら皆で給食を食べる事になります。ただ、バトラング王国では魔法や呪文の経験が少ないとわかり、給食の際には魔法を使い皆様に美味しく召し上がって貰おうと考えました」
直ぐにビルクが私の頭の飛び乗ると挨拶を始めたわ。
「やあ、俺は魔神のビルクだ。君達に授業で魔術を教えたりもするが、この“キュウショク”を食べる際にも力を使わせて貰うことになった。ヨロシク頼む」
何処か生意気な雰囲気が気になるけど、喋る小動物に子供達は興味津々みたい。どうやら、最初の掴みは上々ね。
話を終えるとビルクがその場に居る全てのバイキングを人間サイズの大きさに変化させる。
「うわあ! スゲェ、先生達がでかくなった!」
「見てみて! テーブルと椅子も大きいよ!」
子供達か楽しそうに、はしゃぐ中、スケルトン軍団が“割烹着”を大量に手に食堂に入ってきたわ。 一枚一枚を子供達に渡すのでなく、先頭の子に渡してもらい、後ろに回すように私は子供達に伝える。
大切なのは学校が相手への“思いやり”や“敬意”を学ぶ場でもある事を知って貰うことにあるの。
自分だけが良ければいいなんて考えをする子はいないと思うけど、譲り合いの精神なんかも学んでほしいわね。
見た目が子供の私が言うのも変だけど、立派な大人に成長してもらわないとね。
スケルトン軍団が次々に台車で給食の入った大鍋やトレー運んでくる。
食堂にパンの甘い香りとスパイシーなカレーの香りが一気に広がると子供達の口から自然とよだれが溢れそうな程、口を広げて驚きに満ち溢れた表情を浮かべてくれたわ。
「さあ、皆様、最初に手を洗ってください。それから順番に並んで給食を受取りに向かってくださいね」
大人も子供も楽しそうに手洗い場に向かい、いよいよ給食の第一号が子供達に渡されていく。
因みにメニューは【サラダ】【パン】【カレー】【フルーツポンチ】と私の小学校時代の人気第一位のメニューよ。
バレないように上手くサトウを誘導するのは本当に大変だったわ。