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希望の3色です2

 真夜中の海上戦が終わりを告げたわ。


 北海を統べるバイキングの国、バトラングの若き暴君と呼ばれし王……

 【カルム=シュビナ】


  海賊水軍を海軍とする物流の国、レナクル王国の美しき銀色の女王……

 【レナクル=サンデア】


 魔族の支配する島国マドラッドと近隣の国を束ねし、冷静なる絶対の魔王……

 【ヘルム=ペンネル】


 私が集めた三国の代表、どの国も一国として他国と争っても負けることの無いであろう強国よ、そんな三国の王がマドラッドの、大広間に設けられたテーブルに集まったわ。


 ペンネは兎も角、敵地と言えるマドラッドで冷静さを保つ、レナクル=サンデア、カルム=シュビナの2名、流石と言うべきね。


 私を含む4名が席に座り、その後ろに各自一人相談役を置いているわ。


 バトラングの王、シュビナの後ろには、あまり大柄ではないが目付きの鋭い年老いたバイキングが皆の動きを目で追っているみたい。


 この老人バイキングの名は【マルテ=ドルド】


 シュビナの船がデンキチに襲われた際に「降伏すべき」と最初に口にした人物らしいの、バイキングは敗北を認めないと聞いてたけど、戦ってシュビナを危険に晒すことを避けた人物よ、本当の意味で先を読んでいる人物ね。


 レナクルの女王、サンデアには、侍女のシャムスが同伴してる。薙刀は布で確りと縛られているけど、要注意ね。


 マドラッドからは、ペンネとカメレオン男(ヒルバー)が参加してるわ。


 そして、私の後ろにはメルリがいる。駆け引きや騙し合いになったとしても、メルリなら私に一番いいアドバイスをくれると考え、同席をお願いしたの。


 四人全員が揃ったことを確認し、本題を切り出す。


「夜中にも関わらず、突然の申し入れに応じていただき、私、ミルシュ=カミルは感謝致します。今から本題である3国の此からを話し合いたいと考えています」


 慎重にそう語るとシュビナが手を上に伸ばす。


「少しいいか? 俺はアンタに従うとは言ったが、レナクル王国と上手くやっていけるとは思えない」


「若! なんと言う事を」


 シュビナの後ろからドルドが声をあげたわ。


 当然ながら、レナクル側のシャムスは不快を顔に出さずには要られない状況になっていたわ。

 そんな中、レナクルの女王、サンデアがシュビナに問い掛けたの。


「何故、私の国、レナクル王国とは上手くいかないと口にされる? どうか御答え頂きたい」


 真っ直ぐとシュビナを見つめる瞳。


「東の海の女には、バイキングを恐れぬ奴が多いのか? 東の最果てで此だとこの先は更に困らされるな」


 話を茶化すようにそう語るシュビナに対して、シャムスが前に出ようとする。

 それを危惧(きぐ)するようにドルドが睨む。


 破裂寸前の風船のような状態の中、ペンネがテーブルを叩く。


「主ら、勘違いしておらぬか? 妾はお遊戯会に参加したつもりは毛頭ないぞ? シュビナと言ったか? 王ならば同等の立場の者に敬意を払うが当然と思うが?」


 3人の王が睨み合うと聞いていた私の苛々も徐々に上がっていったわ。


「アンタ達……話し合いをする気無いなら……実力行使でいくわよ」


 私はそう告げた瞬間、全ての使い魔達をその場に無詠唱で召喚したわ。


 無数のスケルトン軍団を従えたロクさんとハニービー、バトルビーの大群に加えて、センチピードのオリンとオラン、ボスにメガ、スカーにモーム。


 他の子達も次々と姿を現すと3人の王達は言葉を飲み込みその場に腰掛けたわ。


「同盟を結ぶの? 結ばないの?」


 私の質問にシュビナは再度、否定的な態度を露にする。


「俺達バトラングはレナクル王国に進軍したんだ、その事実を無しには出来ない、レナクルの民も俺らを赦さないだろう」


 シュビナはレナクル王国に対して敵意ではなく、罪悪感を抱いていたの。

 バイキングの見方が変わる瞬間だったわ。


「なら、謝りなさいよ? アンタが謝れば済む話でしょ、それに、レナクル王国の死者はゼロよ? 怪我人もアララ達が皆、治したわ。街は同盟を結んだなら私がなんとかするから、選びなさい!」


 その後、直ぐに3国の同盟が結ばれた。

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