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138/312

希望の3色です1

 私の前に並べられた大量のバイキング船とガレオン船。


 正直、あれね? 普通の海軍なら勝てないレベルだわ。


「さて、バイキングの王様に御対面ね。何でレナクルを攻撃したのかも知りたいし?」


 そんな事を考えている私の元にメルリがガルーダに乗りやってきたの。


「お嬢様。レナクルで待機していたバイキング達の捕縛にペンネとアララ、サトウが成功しました。マドラッドの兵も要塞アザラシと共に無事です。完全な勝利になりましたわ」


 メルリの言葉に表情を曇らせるバイキング達、そんな最中、船の中から姿を現したバイキングの王。


 見た目は他のバイキングよりも小柄であり、成人男性より少し身長が高いと言う印象になる。

 金色の髪に整った容姿、簡単に言えば、映画スターのように見えるわ。


「アンタが、バイキングの王なの?」


 あまりに普通サイズのバイキングの王を見て、口を開いたままになる私、そんな私を見て、頭を下げるバイキングの王。


「此度の戦、俺達バイキングの敗北を認める。煮るなり焼くなり好きにしてくれ」


 意外に潔い(いさぎよい)わね? もっと悪い奴を想像してたわ。


「バイキングの王、アンタの名前は? あとレナクルを攻めた理由も知りたいわね」


 私の言葉に一旦、目を瞑り深呼吸をするバイキングの王。


「俺は、北の海を支配する王国、バトラングの王……カルム=シュビナだ。此度のレナクル進行は、計画して行ったものではない……策を巡らしていたならば、俺はこの場にいなかっただろうからな」


 バイキングの国、バトラング……若き王に王位が継承され、近隣の国と国が小競り合いを続けていた北の海を統一した北の暴君こそ、カルム=シュビナだったの。


 今回、カルムはレナクル王国と同盟を結ぶために、自身の護衛部隊と船団を率いて、レナクルの海域に移動した。


 しかし、結果は散々なものであった。


 レナクルの領海に入ると同時に、レナクル王国とマドラッドの両方から攻撃をうけ、更にはレナクル王国、女王サンデアの誘拐を疑われてしまったの、あまりに辛い話に涙が出るわね。


 其から直ぐにカルム=シュビナはレナクル王国に対する怒りを露にしたの。


 同盟を結ぼうと考えていたバトラングからすれば、先制攻撃をされ、女王誘拐の濡れ衣をかけられ、結果……私達に敗北……可哀想過ぎるわね?


「で? アンタにはレナクルと同盟(仲直り)をする気はあるの? ハッキリさせてほしいのよね」


 この答え1つで此れから先の流れが変わるわ……さあ、バトラングのシュビナは、どうでるかしら?


 私はそんな心配を感じながらもシュビナの返答をまったわ。


「俺達バイキング、敗北を赦さぬが掟、敗者に選択肢はない。煮るなり焼くなり好きにして構わん」


 シュビナの言葉に涙を浮かべ、膝をつくバイキング達。


「ぬうぅぅぅ、若。すまぬ! 我々が敗北したばかりに」

「うおぉぉぉ……許されよ王よ、我等は王と共に行きますぞ!」


 激しく感情を露にしながらも、王に従うとするバイキング達、そんな中、ボノルが私の前に頭を船のデッキにつけながら声をあげたの。


「御願いだ! バトラングには、いや、北の海には、王、カルム=シュビナ様が必要だ! 荒れ狂う国々を束ねた偉大な御方なんだぁ……御願いすます……どうか、王の命だけは!」


 その言葉に次々と頭を押し付けるバイキング達、私は元から命を取る気はないんだけど……


「わかったわ! あと、シュビナ王、さっきの言葉に嘘、偽りはないわね? 私が決めた条件に従うって口にした以上、貫き通して貰うわよ!」


「無論だ。俺は誇り高きバイキングだ。自分の言葉に偽りを挟む真似はしない」


 互いに確りと目を見つめる私とシュビナ。


 そこから私はレナクルが私にマドラッドとの一件を預けている事実と私自身がマドラッドの魔王ヘルム=ペンネルにマドラッドを譲られている事実を語ったの。


 魔王ヘルム=ペンネルの存在は北の海にも知られていて、私の存在は名前まではしられていなかったけど、ヘルム=ペンネルの従う大魔王として、その存在を知られていたの。


 複雑だわ……


「私はレナクルとマドラッド、バトラングの代表を集めて話し合いを希望するわ! 嫌なら今すぐに言って! 無理矢理でも連れていくつもりだから」


 バイキングを前に堂々と私がそう呟くと、シュビナは大声で笑ったの。


「アハハ、バイキングを前にこんなに勇ましく、喋る女性がいるなんてな。その申し入れ、慎んで従わせてもらう」

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