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カミルのトレジャーハンターです4

 海賊船の上、大勢に囲まれる私、あ、なんかこれってあれよね? 悲劇のヒロインみたいな感じ!


「う~ん、このままヒロインらしくってのも有りかしら、でも、そうもいかないわね?」


 少し憧れるなぁ、悲劇のヒロインを助けに来る格好いい主人公とか……


「何を一人で喋ってやがる!」


 海賊達が私を囲みながら次第に円を縮めていく。


 現実はそんなに甘くないわよね、はぁ、いきますか。


 私は海賊達が円を作っているのを良いことに、風魔法と氷冷魔法を発動する。


「なんだッ! うわぁぁぁ、足が!」

「コイツ魔導士だ! 気をつけろ」


 海賊達が慌てる最中、「動かないでッ! 動くと体がバラバラになるわよ!」と私は大声をあげる。


 軽く動こうとした海賊の一人が服が簡単に砕ける様子を見て「動くな、マジにヤバイぞ」と慌てて周囲を止める。


 どうやら、船長見たいね? 理解が早くて助かるわ。


 スカーと樹精霊(ドリアード)のジュレを喚び出した後に海賊達を蔓で縛り上げると他の海賊船に向けて移動を開始する。


「この船をお願いね! 行くわよ」


 最初の巨大海賊船に他の海賊船の海賊を投げ込むから以外の船は全て沈める事にしたの。


「デンキチ! 船員は皆捕まえたからこの船は沈めていいわよ!」


 1隻ごとにデンキチに指示をだし、それを聞いたデンキチは巨大化すると海賊船を玩具のように持ち上げ、マストを折り、船底を砕いて行く。


『カミル、これも海に沈めるの?』


「そうよ、船が魚の家になるのよ。ひっくり反らないようにちゃんと沈めて来て」


 目の前で船を沈められ涙目を浮かべる海賊達、そんな中、逃げていく数隻の海賊船。


「逃がさないわよ! ピンポンダッシュみたいな感じね、だから余計に腹が立つわ!」


 デンキチの背中に乗り、海賊船の船体にを瞬く間に穴を開けていく穴の中に巨大な鈎爪を作り出し抜けないようにする。

 此処から一気にデンキチに巨大化して貰い、船を繋いだ鎖を引っ張って貰う。


「なんなんだ……俺達はどんな化け物達と戦ってるんだ!」


 海賊船から叫ばれる絶望の声。


 そして、船に飛び移り、ロクさんとスケルトン軍団を召喚する。


 船が繋がった状態であり、更に私は船と船を繋ぐ橋まで作り出す。


「此れで誰も逃げられないわよ。さて、少し目的とは違うけど宝探しといきますか、海賊船ならお宝いっぱいよね!」


 心が高鳴り、海賊と言う今までの人生で遭遇した事のない存在と闘うこと、同時にお宝を手にいれたいと言う好奇心が私を悪ノリさせて行く。


「さあ海賊を生け捕りに行くわよ! ついでに敵船からお宝を頂くわよ!」


『ふぇ? ……オオオオオオオ!』


 流石のスケルトン軍団も悩んだみたいね? まぁ、生け捕りって言ったから大丈夫ね。


 次々と海賊船を制圧していく私達、そんな最中、数隻の小舟が最後尾の海賊船から海に降り、帆を広げて逃げていくのが見えたの。


 デンキチの引っ張る鎖を離せば繋がった船がバランスを失う恐れがあり、私は渋渋、追撃を諦めたの。


「はぁ、逃がしちゃったか、仕方ないわね」


 “バァァァァンッ!”


 次の瞬間、海面に凄まじい爆発が起き、私は直ぐに海賊船の望遠鏡を覗き込む。


 逃がした海賊達の小船が砕かれ海に浮かぶ破片にしがみつく海賊達の姿が見えたわ。


『おや? 此れは此れは、カミル様ではないですか』


 背後からそう言われ私が振り向くと其処には誰も居なかった。


『おっと、失礼いたしました。(わたくし)、癖で姿を現すのを忘れておりました』


 姿が突如現れ、私は驚きの声をあげる。


「あ!」


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