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蜂蜜パニックです2

 ライパンに向かう途中の私達は大量の魔物(モンスター)を相手に戦うラッペンお爺ちゃんを見つけたの、フレイムドラゴン(ボルド)グリフィン(トスカ)グリフィン(ロゼ)を前に怯まない小鬼(ゴブリン)大蛙(フロッグ)達に私は驚かされたわ。


 次第に仲間を呼び、数を増やすゴブリンとフラッグ、緑の大部隊がドラゴンとグリフィン2匹を襲撃なんて自殺行為よ。


 やるべき事をやるのみね。


「デンキチは巨大化、スカーは全力の雄叫び。いくわよ!」


 デンキチは私の水魔法を吸収し森を見下ろす程に巨大化をしたわ、同時にスカーの雄叫びが炸裂する。


 雄叫びにつられて振り向いたゴブリンとフラッグの大部隊が一瞬で我にかえるのが直ぐにわかったわ。


 大きく口を開いたデンキチの姿はまるで絵本に出てくる街ごと丸飲みにしてしまう怪物に見えるんだもの、正直、私も知らずに今の姿のデンキチと出会(でくわ)したらビビるわね。


 そんな私達に合流したラッペンお爺ちゃん、訳を早々に話すと笑いながら蜂蜜をゴブリンとフラッグに渡したの。


「がっはっは。実に恐ろしい蜂蜜を作ったもんだな。だが……知らぬとは言え法に触れる花を使ったのは事実じゃ、王に報告をせねばなるまいて、残念だ」


 ですよね……分かってたけど、仕方無いわね。


 私が下を向きながら覚悟を決めて上を向いた時、ラッペンお爺ちゃんが笑ったの。


「だが、証拠は全てこいつらが(ゴブリン&フロッグ)食べてしまったみたいだな。証拠がなければ王に報告は出来ぬ。やれやれじゃないか、のぉカミルよ?」


 少し意地悪くそう言うラッペンお爺ちゃんの笑顔、素敵過ぎるじゃない。


「でも、蜂蜜を今日中に届けないとまずいよね?」


 私の心配を予想したように影からクイーンが顔を出し、一言呟いたの。


『ストックから出せば間に合うと思う……蜂蜜の販売は見おくり……』


 グッ……確かにあるにはあるわ……ストックの中に出来が最高の蜂蜜達が、本来なら凄い高値で販売できる超高級な花から作ってもらった高給蜂蜜(ハニーリッチ)、約束を果たさないと次に繋がらない……


「わ、忘れてたわ! 確かに有ったわね、最高の蜂蜜が、直ぐに運びましょう」


 去らば私の一攫千金ライフ……ハァ……


 こうして私の秘蔵ストックから大量の蜂蜜がライパンに運ばれる事となり、私は森に戻りジュレに禁止植物の再教育と除去をする事になったの。


 今回の1件はいい教訓になったわ。どんなに優れたメンバーだとしても確りと話し合って互いに確認する事が大切だって改めて気づかされたわ。


 本気で養蜂場をやるなら今よりも美味しく安全な蜂蜜を作らないとね。


 私はジュレに果実の花を咲かせて欲しいとお願いしたわ。

 畑に加えて果樹園もあれば楽しそうだし、天敵となる昆虫はハニービー達が追い払ってくれる、無農薬栽培で野菜と果実が作れて更に蜂蜜が作れるなら悪くないわよね。


 手始めに果樹園の基本となる果実を選ぶ事にしたわ。


 選んだのは“ラ・フランス”よ。最初に市場で見たときはビックリしたわね。


 この世界の果実は私の居た世界と変わらない果実が実っているから、林檎やキュウイ、ブドウにレモンまで何でも揃ってるの、空気が綺麗だし、水も汚染されてないから味は抜群に此方の方が美味しいわね。


 マドラッドでは麦を多く育ててるし、水車と風車を使って小麦粉も確りと作れるわ。


 この世界での“最高の麦”と“最高の蜂蜜”を私達は提供する事になるのよね。


 争いの無い世界なら、餓えや貧困も少なくなる、更に農業と賃金の安定が人々の生活を変えられる事を私は知っている。

 誰かじゃなくて、私が世界を変える引き金になって見せるわ。


 寧ろ私の蜂蜜が世界を埋め尽くす日が絶対に来るはずよ!

 今回は前祝いに蜂蜜の大盤振る舞いなんだから!

 

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