勇者よ魔王を倒すのじゃ!
「というわけで魔王退治に行って来るのじゃ」
「ええ…ぼくただのフリーターなんで……」
「これ以上くちごたえすると反逆罪じゃぞ?」
「…えぇ…」
ゆうしゃ が たんじょう した!▼
***
「仲間になります、プリーストですっ」
「…ナイトだ。よろしく。」
「ウィッチよ。よろしくね?。」
プリースト が なかま に なった!▼
ナイト が なかま に なった!▼
ウィッチ が なかま に なった!▼
…仲間、か。
悪くないかも、しれない。
***
「…ぐっ…」
135 の ダメージ!▼
「大丈夫でございますか、勇者様!」
プリースト は かいふくまほうⅡ を となえた!▼
ゆうしゃ は 249 かいふく した!
「ありがとう、プリースト!」
「勇者!一気に決めるわよ!」
ウィッチ は ひっさつおうぎ を くりだした!▼
「ぐはっ…」
まおうのそっきん に 2368 の ダメージ!▼
まおうのそっきん に しょうり した!▼
「ふぅ…やったわね、勇者。」
「…ここまで来れたのはお前たちのおかげだ。ありがとう、ウィッチ、ナイト、プリースト。」
「…今更水臭い。」
「そうよ…どういたしまして。」
「うふふ、いえいえ、ですわ。…ウィッチさん。回復しておきますわね」
ポワン。
プリースト は 回復魔法 を となえた!▼
ウィッチ は 136 かいふく した!▼
「ありがと。ナイトは大丈夫なの?」
「…俺は薬草を持たせてもらってる。問題ない。」
「どうする?勇者。」
「…宿まで戻るか?」
「…いや、魔王戦だ。行こう。」
「…全く。分かったわ。」
「はぁ。向こう見ずな…」
「それでも、ですわ。勇者様についていきますわ。」
まおう「まったく やはり おまえ は ばか だな。」▼
まおう「ひめ に なにも きいて いないのか?」▼
まおう「まぁ いい。 じゃまものは はいじょ するだけだ。」▼
まおう「…ほんとう に わたし を たおす と いうのか?」▼
まおうを たおしますか?
はい◀
いいえ
まおう「しかた が ない ぜんりょく で こい!」▼
まおう が しょうぶ を しかけて きた!▼
***
まおう「ふははは」▼
まおう「つよい もの だな ゆうしゃよ。」▼
まおう「だが つよさ では なにも えられない。」▼
まおう「わたし が その いい みほん だろう?」▼
まおう「ああ」▼
まおう「この からだ も げんかい の ようだ」▼
まおう「さらばだ ゆうしゃよ」▼
まおう は しょうめつ した!▼
まおう に しょうり した!▼
「やりましたわね、勇者様!」
「やったな、勇者…」
「やったわね、勇者!」
「…みんな…」
勇者の前には微笑む3人が居た。
はじめより、かなり強くなった3人が居た。
はじめより態度が軟化したウィッチ。
はじめより打ち解けたプリースト。
はじめより口数も増えたナイト。
「…ありがとう…」
「や、やだちょっと勇者!どうしたのよ!泣かないでよ…」
「勇者…?」
「勇者様…!?このハンカチ、おつかいくださいませ…」
仲間、か。
悪くない、どころか。
とてもいいものじゃないか…
「…泣き止んだ?それじゃ、王宮に行くわよ?」
「そうでしたわね。まだ、報告が残っております」
「ほら、行くぞ勇者。」
***
ギギ…
王宮の門を開いた。
奥に謁見の間、右手に姫様の部屋、左手に王と王女の部屋がある。
「…懐かしいな。あの日以来、か?」
「そうだな、ナイト。」
「初めて出会った場所ですわね」
「あのときは勇者がこんななよっちぃのでいいのかと思ったわよー!」
勇者一行は歩みを進める。
「…あら。勇者様…?」
ひめ と そうぐう した!▼
ゆうしゃ「まおう を たおしてきました ひめさま!」▼
ひめ「え?」▼
プリースト「うふふ あんまり はやい から おどろき に
なさっているのですか?」▼
ウィッチ「わたくしたちに かかれば こんなもの です」▼
ナイト「ええ ゆうしゃは がんばりや ですからね」▼
勇者一行は決まったセリフを喋り出す。
この時だけ、性格や表情も決まったものとなる。
この“イベント”は、勇者は嫌いだった。
ひめ「ほんとう なのですか? ゆうしゃさま」▼
ひめ「わたし の あいする ひと」▼
ひめ「まおう を この よ から ほうむったのですか?」▼
勇者は魔王の言葉を思い出した。
「ひめ に なにも きいて いないのか?」
ひめ「ゆるさない」▼
ひめ に こうちょく まほう を かけられた!▼
ひめ「ゆるさない」▼
ひめ は プリースト の くび に て を かけた!▼
ひめ「ゆるさない」▼
ひめ は ウィッチ の くび に て を かけた!▼
ひめ「ゆるさない」▼
ひめ は ナイト の くび に て を かけた!▼
ひめ は ゆうしゃ の こと を じっと みている▼
まおう の ことば が よみがえってきた!▼
「つよさ では なにも えられない」▼
ゆうしゃ は えられなかった!▼
しょく も▼
なかま も▼
しんらい も▼
えいこう も▼
ひめ「ぜったいに ゆるさない」▼
なにも えられなかった!▼
ゆうしゃ は しんでしまった!▼
…GAME OVER…
おう「ああ ゆうしゃ よ」▼
おう「しんで しまうとは なにごとじゃ」▼
おう「つぎこそ は まおう を うちとる の じゃぞ?」▼
「次は頑張りましょうね、勇者様!」
「なにドジ踏んでんのよ、バカ勇者。」
「そう言うな、ウィッチ。勇者とて失敗もある。」
ああ、
何を捨て、何を得ればいいのだろう?