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鍛冶屋は世界を救えるか?  作者: にゃろん
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 王都は人工10万人を超える巨大都市で、街の中心にある王城には国王、大神殿には聖女が住んでいる。そして、鍛治ギルドを始め、魔術師ギルド、冒険者ギルドなど各種ギルドの本部が置かれている大都会だ。ミロンは鍛治ギルドでの生活を始めていた。


「わしが鍛治ギルドのギルドマスター、レナードだ!」


「知っていますよ。1週間前にここに来てから毎日、自己紹介してもらっていますから。そんなことより、そろそろ武器作りを始めさせて下さい」


「12歳のガキのくせに生意気だな!わしの鍛治レベルは6。もちろん、ギルドマスターであるわしが最高レベルだ!良いだろう。ミロンの実力を見せてもらおうか!」


 ミロンは工房に入り剣を作り始めた。クリスの鍛治スキルを継承してから初めての武器作りだったが、今までとは段違いの技術で工程を進めて行く。これはミロンがいつも見ていたクリスの武器作りそのものだ。クリスの姿を自分の中に見つけ胸が熱くなった。


 完成したのは1本の小剣。鍛治レベル6に相応しい最高品質の出来だった。


「わしと同レベルの腕前だと!なかなかやるな。もうミロンに教えることは何もない。これからは上級鍛治師として自由に武器を作るがよい!近頃、モンスターの数が増えてきている。高品質の武器は作るだけ売れて行くからギルドは大儲けだ!」


 ギルド所属の上級鍛治師になったミロンには、材料も工房も全てギルドが準備してくれる。作った武器は全てギルド買い取りになるが、ミロンはとにかく武器を作っていたかった。


******************************


 3ヶ月程前から国中でモンスターの被害が急増していた。それまでは深い森や洞窟の中でしかモンスターと遭遇することはなかったが、農村の畑が荒らされたり街道の旅人が襲われたり、モンスター絡み事件が多発している。国王は対策として軍隊の増員と装備の強化を急いでいる。また、冒険者を使ってのモンスター退治も始めた。モンスターの首に賞金を掛け、賞金目当ての冒険者たちにモンスター狩りをさせている。王都は賞金目当ての冒険者たちと、冒険者相手に商売をする連中が次々と集まっていた。


「わしが鍛治ギルドのギルドマスター、レナードだ!」


「知っていますよ。1ヶ月前にここに来てから毎日、自己紹介してもらっていますから。そんなことより、今日もノルマ分は作ったから、あとは自分の好きな武器を作らしてもらうよ」


「ミロンは頑張り屋だな!どんどん作って構わんぞ!冒険者どもに高値で売りつけるからな!冒険者どもの中にはミロンの武器しか買わん連中も出てきたぞ。固定客がつくのは良いことだ。値段を吊り上げて売ってやる!」


 モンスターの増加で武器は作れば作るだけ売れているが、ミロンが作る高品質の武器は飛ぶように売れていた。鍛治ギルドは設立以来の最高売り上げを更新中だ。ミロンは話が長いレナードのことは無視して武器作りの準備を始めた。


「・・・また、小剣を作るのか?ミロンは、いつも小剣ばかりつくるのだな」


「幼なじみに最高の剣をあげる約束をしているから。あいつも最強の剣士になる為に頑張っているはずだから、俺も負けてられないよ」


「女か!女だな!ミロンも隅に置けないな!気持ちは分かるが、たまには休みを取れ。明日は強制的に休暇とするぞ!」


 ミロンは無視して黙々と小剣作りを続けた。

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