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二十

     




今回は宿の受付の人の視点。


この街で一番大きな宿と言ったらやはり僕の働いている宿だろう。

僕はこの宿で受付をしている。

主な業務はこの宿の説明や案内。

お客様がお出かけになる際のお見送りなどだ。

この宿はこの街でもかなり高級な宿で貴族の方などが来店されることもある。

なので、この宿に泊まりにくるほとんどが、かなりの金持ちだ。

だが、極少数ではあるが何かしらの記念日などに金を頑張って貯めて泊まりくるお客様もいる。

そんなお客様にも、僕は最高のサービスを提供しようと思っている。

ある日、見た感じ一六歳くらいの男女二人が泊まりにきた。

成人しているとはいえまだまだ若い。

きっと、今日は何かしらの記念日で頑張って、お金を貯めて泊まりにきたのだろうとこの時僕は思っていた。

どうせ、そんなに金は持っていないと思うが、仕事なので一応スイートルームにするかどうか聞いた。

通常の部屋にすると思っていた僕の予想は外れた。

なんと、彼はスイートルームにすると言ったのだ。

しかも、期間は一ヶ月と。

金は大丈夫なのかと思った僕だったが、彼は大した金額でもないようなそぶりで金貨を十枚渡してきた。

世界は広いなと実感した。

それから数日後、彼等がいつものように腕を組んで帰ってきたとき、彼等の指に昨日までなかった物があることに気づいた。

蒼い宝石の埋め込まれた指輪だ。

それは、遠目からみても、かなり高額な一品だとわかるものだった。

とても、幸せそうな顔をして帰ってきた彼等をみて、僕もいつか結婚したときは、しっかりとした指輪を買おうと思った。

ある日珍しいことにスイートルームに泊まっている夫婦が一緒ではなく、彼一人で出掛けていた。

僕はいつものようにお見送りをしようとすぐに外を確認したが、すでに彼の姿はなかった。

それから、一時間ほどしたあと彼は帰ってきた。

何かとても大きなことを成し遂げたような顔をしていた。

僕にはそれが何かはわからないが、普段とは纏っている雰囲気が明らかに違った。

もしかして世界でも救ってきたのかな。

なんてな。

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