十六
今回は神の視点。
無駄に豪華なシャンデリア。
一人しかいないし、誰かを呼ぶこともないのに置かれているキングサイズのベッド。
最高級の素材で作られたソファー。
そんな豪華な部屋に彼女はいた。
「やっぱこの部屋が一番落ち着くなー。
あの子を呼んだ時の空間は殺風景すぎるからねー」
彼女は、一人呟いていた。
「あの子今はどうしてるのかなー?」
そう言うと、彼女は目を閉じた。
「へー。今は、コウって名乗ってるのかー。なかなか頑張ってるじゃん。前世はあんなに寂しい人生だったのにねー。」
彼女は、少しだけ微笑みながらそう呟いた。
「もう少し視てみるかー。おっ、なんか女と一緒に旅してやがる。ちっ。」
彼女はその光景を見てイラっとしたようで、部屋全体に響くような舌打ちをする。
「なんでこうなったんだ?
少し巻き戻してみるか。」
彼女は少し目に力を入れ、
「なるほど。そういうことかー。理由がわかったとはいえやっぱりムカつくな。私はまだ独身だというのに……」
彼女は少し落ち込んだ表情になった。
そして、近くにあった大きなテーブルを軽く足で蹴った。
テーブルは音速を越えるスピードで飛ばされ、空中でバラバラに壊れた。
「ちっ。またやっちまったか。まったく、アイツは生き返らせてやった私に日々感謝しながら生きてると思ったが、私に対する感謝がまったくみえないな。
しかも私よりも先に結婚するとは……」
彼女は、怒りの表情で部屋にある家具達を次々と破壊していく。
彼女がこの部屋を好んで使用する理由の1つには、イラついた時に物にあたれるからというのもあったりする。
以前彼女がなにもない空間にいる時、少しイラっとする事があった。
その時彼女はつい、むしゃくしゃして世界を三つ消滅させてしまったことがあり、彼女なりに反省したりもしていた。
「よく見たらアイツめっちゃ強くなってるじゃん。まぁそんなことはどうでもいいか。」
彼女はコウのいる世界を見ながら、コンビニに行くような気軽さで
「とりあえず、あの世界消しちゃおっか。」
と呟いた。
どうやら、彼女は1つくらいなら世界を消してもいいと思っているらしい。




