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十四

     




暖かな日の光を浴びて俺は目覚めた。

今は、少し肌寒いくらいの季節。

馬車の窓から射す日光が気持ちいい。

アテネはまだ寝ているようだ。

俺は起こすのも可哀想なので、アテネは寝かせたまま馬車を出発させることにした。

しばらくすると眠そうな顔でアテネが起きてきた。


「おはようございます……」


「おはよう」


「後どれくらいで街につくんですか?」


「半日ぐらいかなー。暗くなる前には着くと思うよー。」


「この馬車ってかなり立派で高そうですよね。ご主人様ってどれくらいお金持ってるんですか?」


「んー。金貨で六千枚くらいかなー。」


「……………」


アテネが固まっていた。

そんな驚くような額じゃないのにねー。

日本円にするとたったの60億くらいだっていうのにねー。


「それって、一生遊んで暮らせる額じゃないですかっ!?」


「うん。だから一生遊んで暮らすよ。もう俺は働かない。」


もう俺は働かない。

絶対かどうかはわからないが、もう自分から積極的に働こうとすることはないだろう。

というか、俺が積極的に働こうとしたらもっと財産が増えて困っちゃう。

金はやっぱ使わないとね。

アテネと楽しく話をしていると街が見えてきた。

馬車で数日間過ごすのはかなり疲れた。

早く宿をとって休みたい。

俺は、街の門のところにいる警備の人に宿の場所を聞き、寄り道せず、まっすぐ宿に向かった。

今回泊まる宿はこの街で一番高級なところに決めた。

この街にある普通の宿は大体二階建ての物が多く、たまに三階建ての宿があるといった感じだ。

しかし、今回俺とアテネが泊まると決めたこの宿は五階建ての超高級な宿だ。

しかし、俺の財力的にはなんの問題もない。

中に入ると豪華な装飾のフロントがあった。


「いらっしゃいませ。

通常の部屋と、スイートルームどちらにいたしますか?」


受付の人がどちらにするか聞いてきた。

俺はまったく迷わずに、


「スイートルームで」


と答えた。


「スイートルームですと一泊で大銀貨三枚になります。宿泊は何日いたしますか?」


俺は、金貨を十枚ほど渡し


「とりあえず、1ヶ月で」


と言った。

しばらくはこの街でだらだらしよう。


「かしこまりました。ではお部屋まで案内させていただきますね。」


部屋に着くと俺は、ベッドに、ダイブした。

あぁ久しぶりのベッドだ。

数日間馬車の中で寝ていたので、ベッドが天国のように感じた。


「アテネ、ちょっと早いけど俺は寝るね。睡魔に勝てそうにない」


「はいっ。おやすみなさいませ。」


俺はまぶたを閉じ深い眠りへとおちていった。

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