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十一

     




この前買ってきた馬車に乗って俺は出発した。

まずは、村から一番近い街マクランに行くつもりだ。

まぁ一番近い街といっても馬車三日間はかかるらしいが。

ガタッ、……ガタッ、

わかってはいたけれど、馬車の中にいても、タイヤが石などを踏むと衝撃がダイレクトに、伝わってくる。

馬車はもちろん木製だが、タイヤもやっぱり木製なので衝撃を吸収してくれたりはしない。

長時間座っていたら腰が痛くなりそうだ。

あぁ、ゴム製のタイヤが欲しい……

もし、俺が国王だったら、すぐに道の整備に力を入れるだろう。

そんなことを考えながら進んでいたらもう結構な距離を移動していたようで、周りの景色も変わってきた。

ん?あれ?なんか1㎞くらい先になにかがあるな。

何だろう?

レベルがかなり上がったせいか、今の俺の身体能力はかなり高くなっている。

もちろん視力もだ。

だから1㎞くらい先の景色ならぼんやりとだか見える。

まぁ、近くまでいけばわかるか。

だんだんとその、なにかまで近づいていき、少しずつはっきりと見えてくる。

そこにいたのは、倒れている人だった。

見た感じ十六歳から十七歳くらいの、まだ幼さが少し残る顔の小柄な少女で、なぜこんなところで倒れているのか不思議だ。

とりあえず馬車から降りて声でもかけてみようかな。


「おーい大丈夫かー」


「…………」


しかし、返事はなかった。

というか意識が無いようだった。

一応生きてるっぽい。

道の真ん中で倒れていたので、このままではここを通る馬車にひかれてしまうかもしれない。

別に放置していってもいいんだけれど、優しい優しいとーてっも優しい俺は、道の脇に移動させてあげることにした。 

もし、馬車が通ってきても安全な場所までは移動させてあげたし、このまま放置してもいいけど、それはそれで可哀想だなと思ったので、目を覚ますまで待ってあげることにしよう。

別にお礼とか期待してる訳じゃないんだよ?

本当だよ?

そして、数時間が過ぎて空が少し暗くなり始めた頃少女は目を覚ました。


「あなたは誰ですか……?」


「俺は俺」


なんとなく、答えになってない答えを返してみた。

少女は、俺のことを不審者を見るような目でみてきた。

あ、ヤバイ。

返事を間違えたかもしれない……。

まぁ、ここから好感度上げていこう。

「なんで私の近くにいたんですか?」


まぁ、そうだよね。

起きたら知らない人が隣りにいたらちょっとびっくりするよね。

ここ、あんまり人通らないし。


「君が倒れていたから、道の脇に運んであげた後、放置するのもなんかなって思ったから目を覚ますまで、待ってたんだ」


ここは正直に答える。

これで俺の好感度はかなり上がったはずだ。


「そっ、そうだったんですかっ。あっ、ありがとうございますっ!」


なんか思ったよりも好感度が上がった気がする。


「まぁ、大したことはしてないよ」


ちょっとカッコつけてみる。

実際はこの子が目を覚ますまで、何時間もかかったからかなり疲れた。精神的に。


「いえいえっ、あなたがいなかったら道に倒れていた私は、馬車にひかれて死んでいたかもしれません。あなたは命の恩人ですっ!」


命の恩人とまで言われちゃったよ。

というかこの少女はそもそもなんで道に倒れていたんだろう?

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