〈No.6〉僕は主人公に向いていなかったみたい。
『another class』直訳すると『もう1つのクラス』かな?
でもこれだけじゃ分からないよ。
「まあ、それだけじゃ分からなだろうから説明してあげて」
またすみるん先生に心を読まれた。ホントにすみるん先生って何者?
でもとりあえず今は『another class』の説明を聞かないと。
「では、最初で最後の衝撃発表!」
無駄に高いテンションで代表が始める。
「僕らは【ドッペルゲンガー】です」
「ど、【ドッペルゲンガー】?」
「はい。僕ら【ドッペルゲンガー】がいるってことは〝本体〟も何処かにいるってことになりますね。
【ドッペルゲンガー】って都市伝説のあれだよね。なんか信じれないなぁ。
「えっとどういうこと?」
「分かった。それではまず僕ら『another class』の目的を発表しよう。僕ら【ドッペルゲンガー】の都市伝説は知ってると思うけど、僕ら【ドッペルゲンガー】に会うと〝本体〟は死んじゃうっていうものだよ。でも、【ドッペルゲンガー】の被害報告は出てきてない。それは〝本体〟が死んでもその〝本体〟の【ドッペルゲンガー】が〝本体〟の代わりをしてるからなんだよ。ちなみに【ドッペルゲンガー】っていう存在は〝本体〟の《影》なんだけど分かるかな、つまり、【ドッペルゲンガー】という《影》は存在自体が《影》だから影ができないんだ。つまり、【ドッペルゲンガー】の見分け方は影の有無ってことになる」
そこで僕は僕の影を見る。
「じゃあなんで僕はAクラスになったの?僕は影がある」
………でも彼らには無かった。
代表は不気味な笑みを浮かべた。
「まぁ、そうだね。君には〈影〉がある。でもその〈影〉は〝本体〟の影には似ても似つかない〈影〉なんだ。だからと言って僕らの様に存在自体が《影》な訳じゃない。僕らは君の様な人のことを〈影人〉と呼ぶんだ。なんか中二病っぽいけどもっと中二病っぽくするなら【シャドウ・マン】と言うのかな?」
むう。
「それで僕が〈影人〉だったらなんなんですか?」
彼は表情をなくして言った。
「〈影人〉は【ドッペルゲンガー】を消せるんだよ」
「えっ……」
思わず声が漏れた。【ドッペルゲンガー】を消せる?どういうことだ?【ドッペルゲンガー】は存在自体が《影》の人を指してつまり、影がなければその人は【ドッペルゲンガー】ってことだ。つまり彼らは【ドッペルゲンガー】である。
あぁ…繋がった。
「おや、僕らの目的がわかっちゃったかな?」
代表は薄ら笑いを浮かべて言った。
あぁ。解ったよ。
「つまり、僕は【ドッペルゲンガー】を消せる者で、『another classの』目的はそんな僕の存在を消していくこと──」
僕の言葉を遮るように代表は言った。
「そして、僕ら『another class』は今、君を消すために動いている」
僕はどうやら高校生活を諦めなければいけないらしい。
──彼らは僕に向けてそれを突いた──
『 ************ 』
《影》達が去った倉庫には大きな血溜まりがひとつ。
死体がひとつ。
それと人影がひとつ。
人影は呟く。声にならない言葉。
『──これで終わらせない──。』
そして──────。
まさかの涼色のバッドエンド!!
でも主人公を交代しながら物語は続きます。
ちゃんとした1つの結末に終わらせましょう。