〈No.5〉だから嫌だったんだ。
そんな感じで現在にいたるんだよ。どうだ、凄く運悪いよね。
あぁ…占いって当たるんだなぁ…。次からは気にしよ。まぁ…次があればの話だけどね。
まあ、まだ僕は人生を諦めたりはしないけどね。
僕は、改めて倉庫の中を見回す。そして、1つ分かった。それはここは地下であるということだ。
そのことに気付いたのは倉庫の上の方にあった小さな窓を見つけたからだ。
頑張って窓から外を見てみると、そこは地下の通路が続いていた。
これらのことから僕はここは地下で、更にここは高校だと推測する。
高校だと推測した根拠は窓の風景もあるが、それより分かりやすいのは時間である。今現在の時刻は10:35で、僕が疲れて休んでたのが10:05。誘拐されたのがその10分後だとすると、僕は誘拐されてからまだ20分しか経ってない。その間に地下6階の迷路(の様なもの)をクリアし地上に出て車で移動、そして倉庫に閉じ込め鍵を掛ける、なんてことはできない。少なくとも1時間は必要だ。なぜなら、この高校から車でこのサイズの倉庫がある地域に行くには40分かかる。僕はその辺りの地域に買い物をしに行くことがあるが電車でも28分程かかるので車だとまあ40分はかかるだろう。地下を抜け出し車で目的の倉庫につくのに50分、僕を倉庫に閉じ込め鍵を掛ける、この行動で1分から3分、車で逃走する時間も考えて恐らく1時間はかかる。
はい、証明完了。
ハアー、証明楽しいな♪
「はぁ…もう終わったんだなぁ…」
「まぁまぁ、元気出せよ」
「そうだよなぁ…元気出さないと運が逃げるか」
「そうだぜ、悩みがあるなら相談しろ」
「いやー、それが──」
その瞬間僕は会話相手がいることに初めて気付いた。
「えー!な、な、なんでここに人がいるの!?ぼ、ぼ、僕以外に人がいる!」
僕がそれを言葉にした瞬間、周りの段ボールから「ていやー!」や「ば、ばあ?」などと声を出しながら人が出てきた。
状況を理解できない僕に対して隣にいつの間にかいた彼が説明してくれる。
「まぁ、おめでとう、新入生!歓迎するぜ!これからの高校生活はもうバラ色だ!」
まぁ、説明にはなってないが大胆のことは分かった。
「つまりこれはAクラスへきた僕の歓迎会ってわけなのかな?」
そう言うと後ろから声が聞こえた。
「その通りよ。凉色さん。ようこそ我がAクラスへ」
『ゴミ箱』は明るすぎるほどに明るく、ある意味異常だった。
「すみるん先生!生きてたんですね」
「わたしはこの程度では死にません」
そう言った途端周りのAクラスの人達が笑いだし、
「ホントだよ。前なんか地上25階から飛び降りて近くの海に飛び込んで無傷だったもんな」
「そうそう、その前は爆弾処理してて間違って爆発させちゃったのに偶然立ってた場所が抜けて足の骨折で済んだんだから運が良いんだか悪いんだか分かんないよね」
と、とても信じきれない内容を口々に言った。
僕はそこで、思ったことを口にした。
「何の話ですか?爆弾とか」
僕が言うとAクラスの人達は意味深な笑顔を浮かべ、その中の1人が代表して言った。
「僕達はanother classっていうんだ」
たくさんの人が置いていかれてしまいましたね(笑)
さて、これから涼色はどうなるんでしょうね?
お楽しみにどーぞ!