No.4 いつもとおなじうわさ話(?)
新キャラ登場回です!
結城さんと駅で別れて、今、俺は自分の家で適当な晩ごはんをつくっていた。適当な野菜を適当に包丁で切って、あとは油で炒める。うん。我ながら美味しそうだ。
食べたらそれはすこし油をかけすぎたからか、油っこかった。なんか、落ち込んだ。
自分の部屋でなんとなく考える。それは明日のことだったり、校則のことだったり、結城さんのことだったりした。
そういえば、生徒手帳を読んでないな。
えーと、どこにあったっけ。あれ?ないな。忘れちゃったかな?
『♪♪♪♪』
と、俺のスマホが鳴った。
あれ?こんな時間になんだろう?
俺が出ると聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『お、出たか。俺だよオレオレ』
詐欺かよ。
「なんだよ、詐欺ならお断りだぞ」
『いやいや。待てよ。だから百合花迎だって!何回やるんだよこのやり取り!』
そう。この若干うざい電話相手は百合花迎という。中学1年の頃に俺に最初に話掛けてきた変な奴だ。それから連絡先を交換してから、何故か毎晩電話をしてる。そんな腐れ縁のつづいてから約3年、ずっとそんな日常が続いている。
『おーい。ちゃんと俺のことは説明したかー?』
「はい?」
『いーや、なんでもないよー』
やっぱり若干うざい。
「で、今日はなんだよ」
迎はいつも噂を持ってくる。その噂は学校の怪談だったり、都市伝説の新作だったりする。
例えば、ココ最近噂されている道を横切る影のことや、トイレに出現する幽霊とかほんなものだ。
ある時、「そんな情報をどこから仕入れているんだ」と聞いたことがある。その時の迎の答えは「独自の情報網だよ」だった。
俺が話の先を促すと迎はいつものように得意げに話し始めた
『お前の通ってる高校あるだろ?』
「あぁ」
『その高校には誰も知らない地下があるらしいんだよ』
「へぇ。それはまた興味深い」
『だろ?それでその地下ってのがなんかヤバいらしい』
「なんで?」
『その地下から女の叫び声が常に響いてるって話だ。さらにその地下には実態のない人影がうろうろしてるんだそうだ』
「へぇー」
『む、なんか気に入らないか?』
「いつもはもっと怖く話すだろ?でも今の話はなんか情報がいつもより少なくてつまんなかった」
『ま、それも仕方ないんだよ。今回の話は本当になにもわかんないんだからよ』
「それは珍しいな」
『あぁ、ほんとだよ。俺の情報網を使えば情報なんてすぐに集まるのに、なぜか今回の話だけはまったく集まらないんだよ』
ふーん。
「でも、集めちゃうんだろ?」
『まーね。あと10時間ぐらいで全容が見えるだろうよ』
「だろうな(笑)」
『おいぃ!かっこ笑まで言う必要あったか!?』
「テンションあげるなよ。うるさいから」
『おう、わるかったな』
謝ったし。
『って違うだろ!!お前が謝れよ!』
あ、気づいた。
「はいはい、申し訳ござーせん」
『ったくよー。じゃあ情報集め終わったらSNSで伝えるわー』
プツリ。
切られた。
よし。寝るか。